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【イベントレポート】“コンペ無敗”セールス組織の創り方 ―『無敗営業』の著者から学ぶ、「経験」と「勘」から“脱却”するための変革ロードマップ―

営業組織強化

18,000名のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決するプロシェアリングサービスを運営する当社では、毎月6~8回のウェビナーを開催しております。

2021/09/16回では、営業活動のオンライン化による組織体制の課題や、危機感を感じている営業責任者の皆様に向けて
『無敗営業』の著者であり、コンペ無敗のセールスプロフェッショナル 高橋氏に、新しい時代を生き抜く“無敗営業”組織創りの秘訣についてご紹介いただきました。
「トップ営業頼みの営業組織でミドル層が育たない」
「営業の勝ちパターンが見えず、KPI設計も型づくりも進まない」
こうしたお悩みを持つご担当者様はぜひご覧ください。

当日参加できなかった方、もう一度内容を振り返りたい方のために内容をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

高橋 浩一氏

高橋 浩一氏

大ヒット書籍『無敗営業』著者/VUCA時代の営業組織創りのプロ
東京大学卒業後、ジェミニ・コンサルティング(後にブーズ・アンド・カンパニーと経営統合)を経てを25歳で起業。企業研修のアルー株式会社へ創業参画(取締役副社長)。その後2011年にTORiX株式会社を設立。年間200本以上の研修、800件のコンサルティングを実施。

鈴木 貴大氏

鈴木 貴大氏

株式会社サーキュレーション プロシェアリング本部 マネジャー
大手人材紹介会社にてトップセールスとして活躍後、創業期のサーキュレーションへ入社。支社長として東海支社を立ち上げた後に独立。 フリーランスとして複数社で事業開発、営業統括、役員等を務めた後、再びサーキュレーションに参画。現在は首都圏のメガベンチャー・急成長IT企業を担当するセクションの責任者。最先端テクノロジーを駆使した新規事業開発、DX推進に向けた経営戦略策定~組織編成支援など変革プロジェクトの実績豊富。

板垣 和水

板垣 和水

イベント企画・記事編集
慶應義塾大学在籍中にITベンチャーでのインターンに2年間従事。オウンドメディアのSEOやチームマネジメント、100本以上の記事ディレクション/ライティングに携わる。卒業後サーキュレーションに入社し、プロ人材の経験知見のアセスメント業務とコンテンツマーケターとしてオンラインイベントの企画〜運営を推進。

※プロフィール情報は2021/9/16時点のものになります。

withコロナにおける営業活動の課題整理

コロナ以降活発化するオンライン営業と営業DX

2020年3月移行、多くの組織では対面での営業ができなくなり、営業手法そのものの根本的な見直しが必須となった。商談プロセスは脱対面――オンラインへ営業と向かい、情報発信方法や顧客関係UXについても、早急なデジタル化が求められている。
その一貫としてSFA活用に取り組んでいる企業も多いが、営業現場がSFAをフル活用できているケースは全体で見るとわずか1割程度にとどまり、DXに難航している現状が伺える。

社内外で発生する「ズレ」によって疲弊するセールス組織

以上のような状況の中で、多くの営業組織では社外・社内を問わず「ズレ」が発生し、疲弊している傾向にある。ズレとは例えば、社外においては営業が顧客に対して「自分の売りたいものの話」ばかりをして、顧客が自分の基準で行っている判断軸が理解できていないというものが一つ。さらに、社内においては営業が「目標数値が本当に適切なのか」という違和感を抱いてしまうという、マネージャーとメンバー間におけるズレもある。
社内外で発生するズレによって生まれる負の連鎖を図式化したのが、以下のスライドだ。

これらのズレを放置したまま営業活動をデジタル化しDXを推進しようとしても、十分な成果を得るのは難しい。今回のウェビナーでは疲弊する営業組織の全体図を改善し、「無敗営業」を実現するための鍵について、高橋氏に伺った。

高橋浩一氏から学ぶ、セールス組織変革の4ステップとは?

高橋氏は2019年の『無敗営業』をはじめ、2021年にも『気持ちよく人を動かす』などのヒット本を出版している、営業強化のプロだ。上場企業を中心に50業種、4万人以上に営業ノウハウを授け、年間800件ものコンサルティングを行っている。
本ウェビナーは、この『無敗営業』の内容をメインテーマに、オリジナルコンテンツも含めながら進めていった。
まず、前述でご紹介した「疲弊する営業組織の全体図」に対して、高橋氏が打ち出す解決方法が以下の4つのステップだ。活動実態が見えない、人が育たない、コミュニケーションバランスが悪いといった負の連鎖を止めるためには、まずステップ1として「勝ちパターンを創る」ことが必要だという。

これらについて、一つずつ解説していただいた。

STEP1:勝ちパターンを創る

どんな営業組織でも一定の「勝ちパターン」は構築されていてしかるべきだが、高橋氏いわく、「勝ちパターンは何か」という問いに対する多くの企業の返答パターンは決まっているという。

高橋:大体は「お客様との信頼関係の構築」や「問題解決のパートナーとなる」、「意思決定者をしっかり見る」といった答えが返ってきます。しかし多くの企業の営業マンは、これがわかっていてもなかなかできないから困っているわけですよね。
ですから私が最初におすすめするのが、粒の大きすぎる勝ちパターンをもっと具体的にすることです。5W1Hを付けてきちんと文章で書き、スーパーマンのような能力がなくても誰でもやれば成果に直結する形で、再現性が高いポイントを見つけていくんです。

鈴木:5W1Hで明文化し、型を上手く使っていくということですね。

STEP2:活動実態の見える化をする

勝ちパターンの定義で重要なのは言語化だが、「活動実態の見える化」のステップにおいてもポイントは変わらない。営業フェーズを言語化し、組織全員が同じように認識することが見える化につながるという。

高橋:フェーズで営業の進捗段階を分けて、どこが勝負ポイントなのかをみんなの共通言語にします。例えば「うちの会社の一番の勝負フェーズはフェーズ2のビジネス課題認識だ」などですね。すると、フェーズ2の段階にある商談が注目されるようになる。これはすごく大事です。

鈴木:フェーズの定義には例えばThe Modelやセールスフォース・ドットコムが出されているようなものがありますが、これを自社なりにカスタマイズするということですか?

高橋:そうですね。

STEP3:人が育つ仕組みを創る

ステップ3では、全ての営業マン一人ひとりが強みや個性を発揮しながら一定の成長ができるような、人材育成の仕組み創りを行う。ここで重要なのが、「型」を創ることだ。

高橋:例えばフェーズ2が大事なタイミングだと頭ではわかっていても、上手く行動ができない方もいらっしゃいます。これに対してどう具体的に行動したら良い営業ができるのか、学習しやすいようにサポートの型に落としていきます。マニュアル化するというよりは、営業が「当たり前にできること」のレベルを上げるための仕組みですね。

鈴木:型と言われると忌避感を覚える方も中にはいそうですが、ガチガチにやり方を固めるというよりは、サポートするためのものなんですね。

高橋:入社間もない人でも安心して営業活動をできるようにするための支援という感じですね。

STEP4:コミュニケーションバランスを整える

最後に、マネージャーがメンバーと適切なコミュニケーションを取るためのバランスを掴む段階に入る。

高橋:人材育成の型までできれば組織の支援体制が整ってきますから、マネージャーの方がメンバーに行う不毛なコミュニケーションを減らし、具体的で良いコミュニケーションが取りやすくなります。

「これはどうなっているんだ」「もっと頑張らないと」といったむやみな詰めや精神論に寄らず、営業に対して的確なフォロー、メンテナンスを行うことがここでのポイントとなる。例えばトレーニングのための時間を優先的に確保する、商談単位で手厚くフォローを行うといった関与の仕方がその一例だ。

無敗営業を実現する「勝ちパターン」創り4つのポイント

ここまで4つのステップについて伺ってきたが、中でも最も難易度が高く重要なのが、ステップ1でご紹介した「勝ちパターンを創る」段階だと高橋氏。
必要なのは5W1Hで言語化し、誰がやっても成果に直結するような再現性を持たせることだが、ここを緻密に行うには、以下のような4つのポイントがあるという。

それぞれ言葉だけを聞くと実際にどんなアクションをすればいいのか想像し難いため、実際のシチュエーションも交えながら、高橋氏に詳しく解説いただいた。

point.1「接戦状況を問う質問」で商談を見極める

まず「接戦状況」というのは、「営業そのものがあっさり決まるかどうか」ということだ。提案をして顧客がすぐに是非を判断するなら問題ないが、そうではない場合には「何がネックなのか」を顧客に質問し、探る必要がある。

高橋:すぐに決まらない商談のパターンは、「他社と迷う」「保留と迷う」「自社での内製と迷う」の3つです。例えば他社と迷う場合に自社の優先順位が見えてきたら、意思決定のために必要な情報をもっと確認すべきだということになります。
多くの企業にはこの接戦度合いという概念が無いのですが、このあたりの確認のきめ細やかさで、かなり勝率は変わってきます。

鈴木:これは、提案した後に聞くのが一番いいのでしょうか?

高橋:基本的には商談が決着するまで、いつでも聞いて良い質問です。担当者が良いと言っていても上司が首を縦に振るかはわかりませんし、コンペで他社が頑張ってきたら順位は動きますからね。

明確な回答を得られない場合も、接戦度合いは「見積もりを出してから決まるまでの時間」で判断しやすいと高橋氏。自社が有利ならばすぐに決まり、時間がかかるなら接戦ということだ。

point.2接戦が決着したら「どの瞬間に決まったのか?」確認

鈴木:ポイント1は現状の自社の順位を確認する問いでしたが、今度は顧客が契約を決めてくれたタイミングについての質問をするということですね。

高橋:営業側からすると、自分たちがいつどういう行動をしたことでお客様の信頼感を引き上げられたのか知っておいたほうが、その後の営業活動に役立ちますよね。多くの営業マンはそこを確かめません。受注したタイミングで何となく聞くと、「トータルで判断した」とか「値引きしてもらったから」で終わってしまうので、肝心の情報をつかめません。
どういう場面でお客様の心が動くのかを、勝ちパターンやフェーズ、人材育成の型と連動すると、どこ営業の頑張りどころになるのか、認識がしっかりそろいます。

ポイントは「理由」ではなく「場面」で聞くことだと高橋氏。プレゼン直後や上司の一声、会議での議論などどんな場面で決定したか客観的な事実情報がわかれば、よりコアな情報を聞き出せるという。

point.3接戦の受注から「何に価値を感じているのか」探る

受注が決定した具体的な場面を聞き出した上で、自社が選ばれるまでの流れを考え、理由を作るのが次のポイントだ。ここは以下にあるような「VS」の状況に応じて、3つのステップで考案する必要がある。

高橋:他社と迷うのと自社で内製するかで迷うのとでは性質が違いますし、そこに対して自社がどう選ばれるかも事情が異なります。何となくどれも同じように戦うのではなく、例えば他社と比べているなら相対的に選んでいただく、保留と迷っているなら先延ばしにしない理由についてもきちんと合意をいただくようにしましょう。ここまで踏み込まないと、再現性は上がらないと思います。

point.4再現性のある型に落とし込む

ステップ3までの段階で、勝ちパターンの5W1Hはかなり言語化ができる状態になっている。いよいよ誰でも再現性できるような型に落とし込むわけだが、ここで登場するのが「フェーズの定義」「ATMダッシュボード」「型のGCP」という考え方だ。
フェーズの定義は「活動実態の見える化」でも解説した通りだが、「ATMダッシュボード」と「型のGCP」とは何なのか。

高橋:ATMダッシュボードとはいわゆるSFAです。営業マネージャーの方にSFAのどの画面を見ているのかを尋ねると、ほとんどの方は売上の集計を見ています。しかし売上は結果です。それよりも微増や停滞など売上を作っているプロセスを見て、その中で優先順位高く行動すべき顧客リストを表示しておくと、新たなターゲティングが可能になります。

また、「型のGCP」というのはいわゆる「ぐー、ちょき、ぱー」の頭文字を取ったものだ。Gは「具体的なサンプル」、Cは「チェックポイント、Pは「パフォーマンスの確認」を指す。

高橋:ATMダッシュボードを見ていくと、どこがボトルネックで誰が行き詰まっているのかを細かく追えます。その中で例えば「勝負ポイントだけは引き上げたい」といったときに用意するのが、「具体的なサンプル」と「チェックポイント」です。これらを基に、きちんと社員がパフォーマンスを発揮できているか確認する仕組みがそろうと、実力を引き上げやすくなります。

“コンペ無敗”セールス組織の創り方まとめ

ここまでご紹介した内容を踏まえて、今回のウェビナーのポイントを以下のような総括としてまとめた。

高橋:営業組織を強くしたい、営業改革をしたいというときには、いろいろなやるべきことが見えてきます。しかし私が提唱したいのは、その順序です。やはり勝ちパターンが見えてこそ見える化すべき部分も絞られてきますし、どこに焦点を当てて人材育成をすればいいのかもわかります。
最初の入り口である「勝ちパターンを創る」ためには、契約の決定場面に注目をして、お客様を動かすポイントがどこなのかメンバー全員が詳しくなることが、一番の肝となります。

今回ご紹介したウェビナーで使用した資料は、未公開部分も含め以下のリンクからDLできます。“コンペ無敗”セールス組織の創り方にご興味を持たれた方は、ぜひご活用ください。

【無料ホワイトペーパー】
“コンペ無敗”セールス組織の創り方 ―『無敗営業』の著者から学ぶ、「経験」と「勘」から“脱却”するための変革ロードマップ―
本ホワイトペーパーは、2021年9月16日に開催したウェビナー資料のダイジェスト版となります。営業活動のオンライン化による組織体制の課題や、危機感を感じている営業責任者の皆様に向けて、コンペ無敗のセールスプロフェッショナル 高橋氏の実践事例をもとに、新しい時代を生き抜く“無敗営業”組織創りの秘訣についてご紹介しています。