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【イベントレポート】成功するインサイドセールス ーISのプロが語る、事業成長に繋がるインサイドセールス部隊の創り方とは?ー

営業組織強化

17,000名のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決するプロシェアリングサービスを運営する当社では、毎月6~8回のウェビナーを開催しております。

2020年12月10日は、パラダイムシフトした顧客の価値観に対応するため、EC事業強化やOMO推進などのサービス開発を目指す経営者、経営企画責任者、DX推進責任者の皆様に向けて、OMO推進の秘訣についてご紹介いたしました。
今回ご登壇いただいたのは、メルカリのOMO戦略チームの立ち上げ実績を持つ新規事業開発のプロである南坊氏。
メルカリの事例はもちろん、他社の優れたOMO事例の解説から成功する事業開発のロードマップまでたっぷり教えていただきました。

当日参加できなかった方、もう一度内容を振り返りたい方のために内容をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

藤田 健太氏

藤田 健太氏

3社のIPO実現、大手含む数十社の営業DXの支援実績を誇るインサイドセールス立ち上げ・運用のプロ
弁護士ドットコム、メドレー、セルソースなど上場ベンチャー企業の営業組織を牽引し、いち早くインサイドセールスの立ち上げに着手。事業責任者として複数回の株式上場を経験。2018年に株式会社インサイトを創業し、大手からスタートアップまで幅広い企業のインサイドセールス立ち上げ、営業組織改革を支援。2020年に株式会社グラフを創業し、営業マネジメントをテクノロジーでアップデートする営業予実管理ツール「GRAPH」に取り組む。

鈴木 貴大氏

鈴木 貴大氏

株式会社サーキュレーション プロシェアリング本部 マネジャー
大手人材紹介会社にてトップセールスとして活躍後、創業期のサーキュレーションへ入社。支社長として東海支社を立ち上げた後に独立。 フリーランスとして複数社で事業開発、営業統括、役員等を務めた後、再びサーキュレーションに参画。現在は首都圏のメガベンチャー・急成長IT企業を担当するセクションの責任者。最先端テクノロジーを駆使した新規事業開発、DX推進に向けた経営戦略策定~組織編成支援など変革プロジェクトの実績豊富。

花園 絵理香

花園 絵理香

イベント企画・記事編集
新卒で入社した大手製造メーカーにて秘書業務に従事。その後、医療系人材会社にて両手型の営業を担当し全社MVPを獲得、人事部中途採用に抜擢され母集団形成からクロージング面談まで幅広く実務を経験。サーキュレーションでは、プロ人材の経験知見のアセスメント業務とビジュアルに強いコンテンツマーケターとしてオンラインイベントの企画〜運営を推進。

これからの営業組織にインサイドセールスが欠かせない理由

コロナによって注目度を増すインサイドセールス

コロナによって起きた大きな社会変化は、営業組織にも波及している。特に大きく変化しているのが、商談プロセスや情報発信方法、顧客関係のUXだ。当社のマネジャーを務める鈴木はこの状況を受けて「インサイドセールス部門を立ち上げたいという企業様が増えた」と語る。
実際、インサイドセールスの注目度は高まっていると言える。2021年4月現在までにGoogleトレンドで「インサイドセールス」の検索ボリュームが最も高い数値をマークしたのは、2020年5月後半。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全面解除されたタイミングと重なる。

インサイドセールスの導入メリットとは?

従来の訪問営業(フィールドセールス)に対して、インサイドセールスは非訪問型の営業スタイルとして意味付けされている。インサイドセールスの営業手段は電話やメール、DMなど非対面で行われるもので、営業活動の効率化や、見込み顧客の育成などが大きな目的だ。インサイドセールスで獲得した情報を、フィールドセールスに活用することも多い。
コロナによる変化に対応する手段として、インサイドセールスが注目されているのは、何より非対面で営業活動が可能な点が理由のひとつとして挙げられる。そのほか、インサイドセールスを導入するメリットは以下の通りだ。

事業の立ち上げから成長~安定フェーズに至るまで、商談数の増加に対して一定以上の効果が期待できるのがインサイドセールスだと言える。

「辛いインサイドセールス」から脱却。戦力化と改善のやり方

一方で、インサイドセールスは多くの課題を抱えることになるケースも少なくない。
導入に際して「フィールドセールスから急に内勤になりテレアポをしたくない」「KPIがあやふやになる」といった営業サイドの戸惑いが生まれるほか、「社内リソースからインサイドセールスを確保できない」「顧客データを上手く活用できない」など、組織設計と運用にまつわる問題も出てくる。
現時点でネット検索のサジェストに「インサイドセールス 辛い」と表示される点を見ても、インサイドセールスに悩みを抱える企業の多さが伺える。

上記のような課題を乗り越え、インサイドセールスの立ち上げと運用を成功させるにはどうしたらいいのか。藤田氏が注力しているのが、4つのステップだ。

今回のウェビナーでは藤田氏が関わったベンチャー企業と大手企業の事例を基に、インサイドセールスの成功のポイントについて、上記の4ステップに応じて紹介してもらった。

成功事例1:メドレー社におけるインサイドセールス

医療分野のベンチャー企業が数名でインサイドセールスを立ち上げ

最初にご紹介するのはメドレー社。同社は2009年に設立され、人材採用・医療分野においてプラットフォーム事業を展開するベンチャー企業だ。

藤田:私は営業組織の立ち上げ~総括までやらせていただきました。メドレー社は最近かなり話題になっているオンライン診療の企業です。インサイドセールスの立ち上げメンバーは、私を含めたミドル~シニアクラスの社員3名でした。

鈴木:メドレー社はもともと有償導入企業がゼロの状態だったということですが、藤田さんが入ってから1.5年で有償導入先1,200社とトップシェアになっています。これはかなりインパクトのある数字ですが、業界トップシェアにまで引き上げたポイントについて深掘りできればと思います。

精鋭メンバーで確実に商談数を伸ばし、調整期で一気に営業を効率化

<立ち上げ期のポイント>「一目置かれる」メンバーを選出すること

藤田:立ち上げ期のKPIはいわゆる商談獲得数です。これを唯一の指標としながら、トークが上手なミドル~シニアクラスのメンバーで商談数の獲得を進めました。
もう一つ行ったのが営業効率に関するデータの収集で、リードから受注に至る転換率を記録しておきました。シニアレベルのメンバーがインサイドセールスに挑んだらどういう転換率になるのかは、その後の計画策定に際しても、非常に重要なデータになります。

藤田氏は、なぜミドル~シニアクラスのメンバーを選抜したのか。その理由についてはこう語る。

藤田:インサイドセールスの立ち上げでは、営業の経験者や社内でも一目置かれているメンバーを配置するのが非常に重要です。
というのも、インサイドセールスが獲得したアポイントをフィールドセールスに投げると、「もうちょっと質の良いアポイントをくれ」、もっと悪く言えば「薄いアポイントを投げてくるな」というコミュニケーションが発生しがちなんです。
インサイドセールスの立ち上げメンバーが社内でもともと信頼のあるメンバーから選ばれていると、こういった声は少なくなります。

<成長期のポイント>アウトバウンドコールのストレスを緩和する

メドレー社の成長期において特筆すべきは、インターン生を12名採用しチームの増強を図ったこと、そして当初は5:5だったインバウンド・アウトバウンドの比率が3:7にまで変化したことだ。

鈴木:アウトの比率が上がるとメンバーのモチベーションが心配になる方も多いと思うのですが、このときはどう対応されたのでしょうか?

藤田:2つの手法を採用しました。ひとつは組織としてコンテンツマーケティングを強化し、インバウンドのリードを増やす動きをしてもらったこと。
もうひとつが、アウトバウンドのコールチームの中に、小さなキャリアプランを設計したことです。例えばアウトバウンドのコールで一定の成果を出したら、インバウンドのチームに行けるようにする。キャリアを設計することでアポイントをたくさん獲得できますし、自分が取ったアポイントが契約に結びつくところもリアルに見られる。
「アウトバウンドのコールは大変だけど、頑張っていればよりやりがいのあるポジションに行ける」というステップを設けたわけです。

<調整期のポイント>商談のスコア化で勝ちパターンを確立する

藤田:調整期に行ったのが商談のスコア化です。同じ1商談だとしても、アウトバウンドコールでようやく獲得した「名刺交換だけでも」「挨拶だけでも」というレベルのアポイントと、資料請求や既存顧客の紹介でつながったアポイントは、1件の価値が全く違いますよね。当然契約の転換率も違う。ここをスコア化しました。すると商談を取得した段階で、データから商談が成約となる確率を導き出せます。
勝ちパターンとなるのは、「受注確度が高い商談はできるだけシニアメンバーが行い、確実に契約してもらう」ことです。商談のスコアによって、シニアに振るかジュニアに振るかを判断するわけです。

鈴木:最初にリード数がないとスコアが平準化されず上手く回らないので、調整期に入ってからスコア化するということですね。

スコアの算出方法については、「過去半年間の商談データを計算してスコアを算定します。半年に一度、過去半年間のデータで洗い変える形でスコアをどんどん更新していきます」と語る藤田氏。営業の効率化をより確度の高い形で行えるのは、調整期に入ってからと言えそうだ。

<新目標期のポイント>契約転換率が高い手段をマーケティングで補強

調整期を終えた段階で、メドレー社の受注数は立ち上げ期の15件が73件にまで増加し、イン・アウト率も6:4にまで変化。新目標期では、何が重要なポイントになるのだろうか。

藤田:商談のスコア化によって、「どういう手段で取得した商談の契約転換率が高いのか」までデータ化されていますから、契約転換率の高い手段で取得された商談を増やす時期になります。
例えば既存の取引先から紹介された商談が決まりやすいということであれば、紹介キャンペーンをやってみたりするということですね。あとは業種やエリアなどによって相性が良い商談先というものがあるので、そこに対して注力的にマーケティング施策を打ちます。

中堅・大手企業のインサイドセールスはベンチャー企業と何が違う?

ベンチャー企業におけるインサイドセールス成功事例の紹介を終えたところで、ディスカッションは大手企業のケースに移る。
まず、ベンチャー企業と大手ではインサイドセールスの運用にどのような違いが出るのかを、簡単にサマライズしていただいた。

藤田:大きな違いは、会社に所属する既存メンバーの性質です。ベンチャーのほうがガツガツしているので、社内メンバーだけでインサイドセールスチームを立ち上げてもワークするケースがあります。
これが、大手企業では結構難しい。大手企業の現場社員が、急に新規のアウトバウンドコールを1日100件掛けるというのはなかなか辛いんです。とはいえインサイドセールスでは新規のアウトバウンドがかなり重要なので、そこをやりきれる組織にしないと動きにくくなります。
一方で大手企業はブランド力があるので、アウトバウンドコールをしても反応は悪くなかったりしますし、商談契約の転換率もそれなりに高くなるという利点がありますね。

先に紹介したインサイドセールスの4つのステップを振り返ると、立ち上げ期におけるポイントは「選抜メンバーで成果を出し、勝ち筋を見つける」ということだった。これが大手企業では難しいという。藤田氏はこの課題をどう乗り切ったのだろうか?

成功事例2:大手製薬会社におけるインサイドセールス

コロナ対応期まで含めて月20件の新規契約が80~100件にまで成長

大手企業におけるインサイドセールスの立ち上げと運用について、大手製薬会社の事例を紹介していただいた。

藤田:このプロジェクトは、主軸商品の売上が低下しており、なんとかV字回復させたいということでオーダーいただいたものです。

鈴木:藤田さんが入られる前は、新規の契約が月20件程度。これがインサイドセールスの導入により80~100件程度にまで成長しています。ここまでどう成長に導いたのか、ステップは「準備期」「立ち上げ期」「成長期」「コロナ対応期」という形に変えて紐解いていければと思います。

アウトバウンドは100%外注でインサイドセールスを立ち上げ、成果を出す

<準備期のポイント>社内の既存メンバーは一切テレアポを行わない手法を選択

藤田:準備期においては優れたメンバーをコンバートし、転換率に関する細かいデータを収集しました。収集するデータの内容は、企業規模や業種・業態によって変わります。トライアルの時点でのポイントは、メドレー社と同じですね。

こう語る藤田氏だが、前述の通り大手企業でフィールドセールスを行っていた営業が、急にインサイドセールスに転換するのは難易度が高い。

藤田:違うのはリソース確保の手段です。社内ではなく、アウトソースという形で外部のリソースを使いました。
外部リソースには「安くてそんなに上手くない」「高いけれど上手い」といった、松竹梅のランクがあります。最初は「高額だが優秀なリソース」を外部から選び、トライアルしました。

ディスカッションでは、こんな質問も出た。

鈴木:今回の事例では準備期のイン・アウト率が100%という数値が出ています。これはなかなかしんどそうですが……。

藤田:イン・アウト率は準備期だけではなく、最初から最後まで継続して100%で続いています。これだけ見るとストイックなチームだと感じますよね。
アウト100%で進めることができた理由のひとつは、やはり企業のブランドがあるからです。もうひとつは、プロジェクトとして完全外注を続けたこと。社内の既存メンバーが一切コールをしなくても数字が出たので、そのまま継続しています。

<立ち上げ期のポイント>継続して外部リソースを活用。選定と仕切りを重視せよ

以上の4つの成功事例を見ると、実はある共通点が見えてくる。それは、どの企業もOMOのためにOMOを実施しているのではない、ということだ。

藤田:準備期のポイントと重複するのですが、立ち上げ期における成功ポイントはやはり外部リソースを活用することです。
というのも、大手企業が内部のリソースを使ってインサイドセールスを立ち上げようとすると、インサイドセールスの実態と事業のROIが合いにくくなるんです。一定水準以上の給与を得ている社員に今までやってこなかったアウトバウンドコールを強いた場合、マネジメントコストがかかりますし、1コールあたりの単価を出したときにROIが悪くなります。
このとき外部リソースを使えば変動費だけでトライアルができますし、プロダクトの拡大も可能です。

インサイドセールスを外部リソースで立ち上げる――。この選択について、藤田氏は注意点も述べた。

藤田:イメージ的に「外部委託では成果が出ないだろう」とおっしゃる方も多いのですが、実はその通りです。良くないアウトソース先を選ぶと成果は出ませんし、プロジェクトが頓挫してしまうこともよくあります。
ですから外部委託先の選定が非常に重要ですし、委託後にどれだけの予算で何件の成果を上げてもらうのかという仕切りも大切です。

鈴木:プロジェクトの人員構成はどんな比率だったのでしょうか?

藤田:今回の場合は社内のリソースから外勤営業の方を5名、インサイドセールス要員として外注したのが10~15名です。
インサイドセールスが月間300~400件の商談を創出し、現場の外勤営業5名にアポイントを振り分ける形でした。

<成長期のポイント>予算を投じて契約数を倍加させながら細かな施策も打つ

藤田:正直成長期に注意していたポイントはあまりありません。立ち上げ期である程度外部リソース活用によるROIと運用クオリティーを見極めて固めているので、あとは単純にバジェット(予算)を倍にして、契約数も倍加させました。
あとは毎月インサイドセールスのトークスクリプトを微修正したり、成果が出ないときはキャンペーンを打ってみたりしましたね。過去に商談にならなかった顧客をリサイクルして、改めてコンタクトを取って商談化する取り組みもこの時期にスタートしています。

<コロナ対応期のポイント>契約になる可能性が高い商談を厳選し契約率をアップ

コロナにより、対面での営業活動を以前のようには行えなくなった。このときの対策と結果は、営業組織を持つ全ての企業が気になるポイントと言える。「契約にならなそうな商談は減らすという取り組みをした」という藤田氏。具体的に、どんな施策を打ったのだろうか。

藤田:これまでは1回目のアウトバウンドフォローでアポイントを取得していたのですが、その前に一度資料請求を挟むようにしました。資料請求を見てもらってから再度アポイントを取ろうとすると、「絶対に契約しない」「今はタイミングではない」と明確に断られるからです。
結果として、商談件数は減少しました。ところが、商談における契約率は上がったんですよ。不思議なくらいです。やって良かった施策ですね。

鈴木:資料送付を挟むことで、最初のアポイントの質がかなり上がった感じですね。

最速・最大出力でインサインドセールスを成功させる外部プロ人材の活用法

中堅~大手企業におけるインサイドセールス運用では、外部リソースの活用が肝になることがわかった。とはいえ、適切な外部リソースの運用を経験の無い営業組織が直接行うのはハードルが高い。
ディスカッションの最後は、インサイドセールス運用における外部リソースの活用という観点で、外注のハンドリングを行う外部のプロ人材に参画してもらう手法を紹介した。

鈴木:外部パートナーの選定やそのハンドリングを自社でやるのか、それとも藤田さんのように専門性の高いプロ人材に併走してもらったほうがいいのか。この部分を、以下の資料でタスク分けしてみました。

中堅・大手企業におけるインサイドセールス立ち上げのよくある落とし穴のひとつが、既存の内部リソースにこだわった結果、リソース配置のエラーが発生してしまうこと。企業規模に応じて、専門のプロ人材とともに適切なBPO企業を選定するのは、インサイドセールス運用の要になると言える。

藤田:ひとつ補足したいのが、先ほどの大手製薬会社様のプロジェクトの中で、普段から大手企業のテレアポを行っているBPOの会社では、成果が出なかったという点です。
私が普段から密にお付き合いしているBPO企業の多くは、ベンチャー企業の案件を担当しています。そういった企業の傾向によって、コミット具合が違うということがあるんです。コミット感が違えばROIも全く変わってくるのは、驚くべきことですね。

成功するインサイドセールスのやり方まとめ

今回のウェビナーのポイントを以下にまとめた。

今回ご紹介したウェビナー資料のダイジェスト版を以下のボタンからDLできます。インサイドセールス立ち上げ/運用にご興味を持たれた方は、ぜひご活用ください。

【無料ホワイトペーパー】
成功するインサイドセールス ーISのプロが語る、事業成長に繋がるインサイドセールス部隊の創り方とは?ー
本ホワイトペーパーは、2020年12月10日に開催したウェビナー資料のダイジェスト版となります。弁護士ドットコム、メドレー、セルソースなど上場ベンチャー企業の営業組織を牽引し、いち早くインサイドセールスの立ち上げを行なってきた藤田氏の経験をもとに、これからの営業の鍵を握るインサイドセールス組織運営の秘訣ををまとめております。