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会員1万人、オムニチャネルD2Cの新規事業グロースに成功〜DELL、Amazonのオムニチャネル化促進や社長経験も持つグローバル経営者が社外取締役に〜

D2C・EC強化
会員1万人、オムニチャネルD2Cの新規事業グロースに成功〜DELL、Amazonのオムニチャネル化促進や社長経験も持つグローバル経営者が社外取締役に〜

「Make the world ”WAKUWAKU” 世界中の人々がワクワクできる社会を創る」をミッションに掲げる株式会社WAKUWAKU。事業の切り口の一つとして、代表取締役の鎌田友和氏(以下:鎌田社長)は不動産業界におけるさまざまな非効率性にメスを入れてきました。その一貫である建材ECサイトの立ち上げを機に、鎌田社長は事業の水先案内人として大西基文氏(以下:大西)を経営顧問として迎えました。オムニチャネルの推進や外資系企業の日本ローンチ成功、経営経験も豊富な大西さんは、どのように企業を舵取りしたのでしょうか。

Contents

きっかけは数百億規模のEC事業推進に関する不安。ECサイト立ち上げから社長まで圧倒的な経験値を持つ元経営者が経営の水先案内人として参画

「ワクワク」をキーワードにリノベーションブランド、建材ECサイト、不動産・建築業界向けのSaaS事業などを展開

株式会社WAKUWAKU 鎌田 友和代表取締役株式会社WAKUWAKU 鎌田 友和代表取締役

鎌田社長:当社のメイン事業は中古住宅の購入からリノベーションまでをワンストップで手掛ける「リノベ不動産」です。創業時から約6年半、直営店と全国に230拠点展開している加盟店とが連携しながら中古リノベーションによる顧客の自分らしい暮らし方を支援してきました。

さらに、2018年には「HAGS(ハグス)」というオシャレ建材ECサイトを立ち上げたり、2019年12月には「Customer now!」という不動産・建築業界に特化した集客・追客のマーケティングオートメーションツールをリリースしました。

ただ、事業領域は不動産・建築にこだわっているわけではありません。当社には社名の「WAKUWAKU」が示すとおり今までにない「ワクワク」を創造したいという思いがあるので、今後さまざまな切り口で人をワクワクさせ続け、世界規模の事業も狙いたいと思っています。社風としても個性や多様性を大事にしているので、個々人のキャラクターを活かせるような会社を目指していますね。

建材ECサイトを立ち上げたものの、社内に知見が無い状態での事業推進には大きな不安があった

鎌田社長:今回プロシェアリングを利用するきっかけになったのはHAGSの立ち上げです。事業のスタートは会社として大きな意思決定ではありましたが、間違いなくニーズがある分野で売上は数百億規模を見込んでいましたし、リノベ不動産を展開してきた自分たちが事業として推進していかなければならない事業だという使命感も持っていました。

立ち上げ期だったので明確な課題感を持っていたわけではないのですが、社内にはECの立ち上げからグロースの知見を持ったメンバーがいないのがネックでした。今後この事業をどう成立させていくべきなのか、そもそも自分たちの能力だけでこの大事な事業を進めていいのかどうか、非常に不安を抱いていたんです。できればプロにアドバイスをいただきながら効率良くスキームを進められればと思い、専門家を探すことにしました。

単なるECサイトのコンサルタントではなく、経営のスペシャリストを紹介してくれた

鎌田社長:人材紹介系の会社は、ただ人材リストを作って持ってくるだけのイメージがあったのですが、サーキュレーションの担当者である高橋さんは、相手が本当は何を欲しているのか、一段も二段も深く経営課題を考えてくれるスタンスの方でした。非常にクライアントファーストで、何かにつけて柔軟に行動してくれたのも印象的です。

高橋さんは当社が求めている人材はECコンサルタントではなく「事業立ち上げの水先案内人のような人」だと正確に読み取ってくれました。その結果、ピンポイントで紹介いただいたのが元経営者でもある大西さんです。DellやAmazonなどグローバル企業でEC立ち上げに関わっていたので経験値は十分すぎましたし、会話のレベルや視座もこれまでディスカッションしたことのあるコンサルの方とは全く異なりました。ただ単純にECサイトを構築するのではなく、泥臭い部分まで理解している方だったんです。初めて面談したときも、私の視点やサイトの作り方に対するフィードバックを即座にくれました。初対面でそういう対応をしてもらえるのは新鮮でしたし、素晴らしい方を紹介してもらえたと思いましたよ。

DellやAmazonなど名だたる企業で活躍した大西さんが成長を支援したい企業の共通点は「熱意」の有無

プロ人材 大西 基文氏プロ人材 大西 基文氏

大西:私は伊藤忠商事で14年働き、日本のビジネス慣習を叩き込まれました。その後はデルコンピュータ株式会社(現デル株式会社)に移り、ダイレクトセールス事業部長やビジネスセールス本部長などを務め、さらに日本におけるデルオンラインストアの立ち上げも経験しています。そのほかアマゾンジャパンやアイピーロックスジャパンなどさまざまな外資系企業で経営職を歴任しています。卸しやEC、リテールのオムニチャネル経営、マーケティング、ベンチャー立ち上げ、経営を多数経験しているのが顧問としての強みです。

企業にジョインする際に大切にしているのは、経営者と社員の熱意の有無ですね。メンバー全員が夢を持って頑張っていて、他人任せではなく一緒に成長していきたいという意思がある会社であれば業種にはこだわっていません。逆に、私の持っているネットワークを駆使して顧客を紹介してほしいといった案件は一切お断りしています。

WAKUWAKUはまさにいろいろな切り口で成長していきたいという意思をお持ちでした。なので、EC事業でお話をいただいた当初、ECサイトの展開だけに留まるのはもったいないと高橋さんにお伝えしましたね。ECをコアとしながら、会社全体として多様な展開をできたらいいなと思っていました。

自分たちだけでは辿り着けなかった発想をアドバイスしてもらい、ECサイトのオムニチャネル展開と資金調達にも成功

積極的に社員とコミュニケーションを取り、会社や事業への理解をどんどん深めてくれた

鎌田社長:大西さんにジョインいただいた当初は、毎月2回EC事業の定例会と経営会議に参加してご支援いただく形でした。そこで事業を成長させるにはどうしたらいいのか、どんな方法があるのかを一緒に考えてくれました。

大西:契約上は月2回という規定がありましたが、私自身にWAKUWAKUのことをもっと知りたいという気持ちがあったので、主要メンバーと積極的に1対1で食事に行ったりもしていました。顔を合わせる機会は自発的に作りましたね。

6倍の品揃えへ転換。直営店へのヒアリングを実施し、「珍しい一点物」に加えて「誰もが求める商品」も全般的に網羅した魅力的なECサイトへ方向転換

大西:「珍しくて品質の良い建材を揃えよう」というところから事業がスタートしていたのですが、ECサイトというのは物珍しい商品だけを置いていてもダメなんです。誰でも訪問できる分、欲しい物がなければユーザーは離脱してしまいます。まずは商材を増やして、みんなが欲しがるものも全て揃っているECサイトになるよう方向転換しなければと、ECの定例会に参加して思いました。

鎌田社長:大西さんにアドバイスいただくまでは、Web上でどれだけ効率良くユーザーにリーチして購買してもらうかという発想しかありませんでした。でも、サイトの数値を見ながらいくら議論をしていても上手くいかなかったんですよね。

そんなときに大西さんから「数字を見るのではなく、ユーザーに直接何を改善すべきか聞いてみてください」と言われて、大事な部分を忘れていたとハッとしました。HAGSの一番身近なユーザーは、建材調達をする直営店です。実際にヒアリングをしたら「買いたいものが置いていない」と言われて、まずは商品数を増やすことが現状の一番のKPIだったのだと認識できました。もともとは1000点程度だった商品数も、今は14,000点ほどに増やしています。

大西:集客に関しても、 WAKUWAKUはせっかくリノベ不動産で全国に230もの拠点がありますから、オムニチャネルの発想でどんどん営業をして広めていく手法を採用することにしました。EC単独で売り上げるのではなく、ECを最大のツールとしながらいかに商材を購買してもらうかを考えるということですね。

ビジネスや採用の利点を踏まえ、新たに東京にショールームをオープン

鎌田社長:大西さんにジョインいただいてから、東京にショールームもオープンしました。ECサイト上にある建材を実際に見て触れられる場所がほしかったことに加え、BtoBのサービスが増えてきて取引先のほとんどが都内を拠点としていることや、採用面でのメリットを踏まえてかねてからの計画を実行に移した形です。

大西:役員会議ではショールーム展開に際して、投資対効果をもっと高めるべきではといったKPIに関する議論が活発でした。ですが、私個人は一貫して「ロジックを度外視してでもぜひ東京に展開すべきだ」というスタンスでしたね。というのも、Dellが無名のときに恵比寿に拠点を構えたことがあるのですが、当時無名であったにも関わらず採用の応募は多かったんです。ところが、会社が有名になって川崎に移ったとたん採用難に陥りました。「東京に拠点がある」ということがいかに大事か体感していたので、これから会社がスケールしていくのなら数値を測るようなレベルではないと思っていたんです。

4.1億円もの資金調達を達成、大西さんのアドバイスを基に確かな基盤と成長性こそが自社の魅力だと再定義

鎌田社長:つい先日(2020年2月)4.1億円の資金調達を実施しました。ここも大西さんに今後WAKUWAKUがどんな絵を描くべきなのか、またそれを投資家にどうプレゼンするのかといったことを一緒に考えてもらったのが大きかったです。適宜、投資家対応も一緒にしてくれました。

大西:一緒に投資家リストの作成なんかもしましたね。私は自分が出資を受けたことはもちろん、投資した経験もあります。投資家がどんな要素に惹かれて出資するのかを頭と身体の両方で理解していましたから、しっかりアドバイスできたと思います。

私がWAKUWAKUの魅力として感じるのは、数年間で10億円以上の規模のビジネスを構築してきたことです。さらに、業界を変革するためのイノベーションも提供しているので、非常に成長性がありますよね。基盤と成長性、どちらか一方だけではなかなか投資家は出資してくれないのですが、この両方を兼ね備えている。そこをいかに端的に伝えるかが勝負だと思いました。

社外取締役として大西さんを迎えたことで、会社が方向性を見失いそうなときも経営陣の足並みを揃えることができた

鎌田社長:経営顧問としての4ヶ月ほどの契約期間を経て、最終的に大西さんには社外取締役になっていただくことになりました。もちろん社外取締役はよく会社のことをわかっている気心の知れた方でなければならないと思うのですが、大西さんに関してはお会いする度に「もっと経営に入り込んでほしい」という気持ちが深まっていきました。

というのも、うちの役員は30~40代のメンバーばかりだったので、大西さんがこれまで培った経験から与えてくれるメッセージや事業を見る視点は自分たちとは全く違ったんです。既存役員の中に大西さんという存在が加わることで、経営スピードがさらに加速していくと感じました。このレベルの社外取締役にはなかなか出会えないと思います。

実際、大西さんに社外取締役としてジョインしてもらったことで、全社的な方向性を定めることができたのは大きな資産だったと思います。

現在大西さんには3ヶ月に1回行っている役員合宿にも参加いただいているのですが、会社が伸び悩んだタイミングで原因を突き詰めたことがありました。そのとき、大西さんから「顧客を見るべきだ」というメッセージをいただいて、初心に立ち返ることができたんです。

資金調達のために投資家対応が増える中で、自分たちのサービスは誰のためのサービスなのかを見失っていましたが、投資家に喜んでもらうにはまず顧客に満足してもらい、私たちが成長しなければいけません。全てエンドユーザーに喜んでもらうためのサービスであることを軸として定めたことで、一気にアクセルを踏めるようになりました。

大西:経営陣も自分たちがなりたい姿や問題として感じていることを言いたくても言えなかった状態だったのかもしれません。それをはっきり伝えたことで、かなり組織の方向性は変わったと思いますね。メリハリがついてきました。

鎌田社長:こういった方向性の策定を受けて、現在はBtoB事業部とBtoC事業を一つにまとめ、お互いの課題をフィードバックし合うようにしています。

また、大西さんにジョインいただいたことによる定量的な成果の1つは、ECサイトの会員数が月間800~1000人ペースで順調に増えてきていることでしょうか。まだオムニチャネル的な意味合いのショールームでの施策を打っているわけではないのですが、EC事業を推進する上で新たな視点をもらえたおかげだと思います。採用も順調で、現在100名規模にまで成長しています。

鋭い切り口からの意見を活かしながら、情熱と社会的インパクトを持つ企業へと成長していきたい

鎌田社長:今後も当社は「ワクワク」を世の中に提供し、社会的なインパクトを持つ会社に成長していきたいと思っています。大西さんには今まで通り忌憚なくいろいろな切り口から切り込んでほしいですね。そういった存在は貴重ですから、大西さんが社外取締役として身近にいてくれるのは本当にありがたいです。

サーキュレーションさんには人事面でもお手伝いいただいた事があったのですが、型にはまることなく当社に一番良い形の提案を続けてくれているので、今後もどうぞよろしくお願いします。

大西:最初の面談時から、鎌田さんからは事業に対する熱量やハートを感じていました。それがミーティングなどいろいろな場面で表れるので、今後も絶対に続けてほしいですね。会社としては、鎌田さんの熱量を引き継ぐプレイヤーをどんどん育てていかなければいけないと思っています。

私が経営顧問から社外取締役になるということでサーキュレーションさんにはいろいろと調整をいただいたと思うのですが、その過程でも顧客目線を忘れずに対応していただいたことに感謝しています。特に担当の高橋さんは人の話をよく聞いてくれて、あらゆるステークホルダーに対して良いバランスで接することができる方なので、会社の顔として素晴らしいと思いますね。

自分たちとは異なる経験・視点・知見を持ち、信頼できる社外取締役として大西さんに出会えた鎌田社長率いる株式会社WAKUWAKU。強いブレインを得た同社の、今後どのように社会に変化とワクワクを巻き起こしていくのか注目です。

本日はお忙しい中、ありがとうございました!

急成長ベンチャーの経営顧問案件におけるまとめ

サーキュレーション コンサルタント 高橋 崚真,株式会社WAKUWAKU 鎌田 友和代表取締役社長,プロ人材 大西 基文氏左:サーキュレーション コンサルタント 高橋 崚真
中央:株式会社WAKUWAKU 鎌田 友和代表取締役社長
右:プロ人材 大西 基文氏

課題・概要

業界のニーズに応えるサービスとして建材に特化したECサイトを立ち上げたものの、社内にEC経験者が不在だったため事業の先行きに不安を感じていた。単なるECコンサルではなく、経営レベルで事業推進をしてくれる人物として経営経験が豊富な大西さんがアサインされた。

支援内容

  • 月2回のEC事業定例会と経営会議に参加し、ディスカッションパートナーとしてさまざまな意見を伝えてくれた
  • 企業をよく知るために、大西さんが自発的に社員と交流を深めてくれた
  • 大西さんのアドバイスで顧客へのヒアリングを実施し、「一点物が買えるECサイト」という発想から「欲しい物が買えるECサイト」へと方向転換
  • 大西さんの後押しもあり以前から描いていたショールームを東京恵比寿に無事オープン
  • 資金調達のための戦略策定、投資家選定、投資家対応まで併走してくれた
  • 大西さんに社外取締役に就任してもらい、現在は毎週役員会議で意見をもらっている

成果

  • 役員合宿で大西さんがメッセージを伝えてくれたことで、「顧客目線」という方向に経営陣の足並みを揃えることができた
  • ショールーム等での本格的な施策を打っていない段階から、新規会員数は月間800~1000名単位で順調に増加
  • 大西さんの投資家目線を持ったアドバイスにより4.1億円の資金調達を達成
  • ショールームオープンの効果もあり採用は順調に進み、現在は100名規模に

支援のポイント

  • 事業を伸ばすためにその道のプロに支援に入ってもらう選択肢がある一方、経営のプロを採用して事業の水先案内人になってもらい、経営全体に対するアドバイスを早期にもらうのも非常に効果的
  • 社内メンバーの人脈以外で社外取締役を探す手段として、業務委託での支援を通じて経営顧問に入ってもらう方法がある。雇用時と同様にミスマッチなどのリスクを低減ができる点で有効な手段となり得る

企画編集:新井みゆ

写真撮影:樋口隆宏(TOKYO TRAIN)

取材協力:株式会社WAKUWAKU

※ 本記事はサーキュレーションのプロシェアリングサービスにおけるプロジェクト成功事例です。

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