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リファラル採用とは?メリットや報酬について解説

人材採用
リファラル採用とは?メリットや報酬について解説

※本記事は2019年11月28日に公開した記事の再掲です。

深刻な人材不足が叫ばれる昨今において、人材獲得の方法も大きく変化してきています。そのような激動の時代において、注目されている採用手法がリファラル採用です。本記事ではリファラル採用の基本からリファラル採用を成功に導くノウハウ、実際にリファラル採用を成功させている企業の事例まで幅広く紹介していきます。

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社の社員に知人や友人といった人材を紹介してもらう採用手法です。自社の業務内容や社風をよく知っている自社の社員がアプローチを行うため、自社に合った人材が集められます。また、求人広告や人材紹介サービスとくらべても少ないコストで採用活動を行えるため、大企業のみならず中小企業やスタートアップ企業にも注目されている採用手法です。

リファラル採用が注目されている理由

採用チャネルの多角化

スマートフォンやSNSの普及によって年々採用チャネルが多角化しており、採用チャネル設計の重要性が増しています。従来の採用活動では求人広告サイトに重点を置けばある程度、採用の成果を上げられました。しかし、採用チャネルが多角化した昨今において、求人広告サイトだけでは十分な人材確保が困難になってきています。そのため、多くの企業ではさまざまな採用チャネルによる複合的な採用活動が行われるようになり、その採用手法のひとつとしてリファラル採用が注目されるようになりました。

売り手市場による人材流出

人材不足による超売り手市場の昨今では、離職してもすぐに次の就職先がみつかるため、会社の業務内容や報酬などに対して不満やギャップを感じている社員が離職しやすい環境にあります。今後日本では、労働人口が減っていくと言われていることから、企業にとってはさらに困難な状況となることが予測されます。そのうえ、求人広告サイトや人材紹介サービスでは、企業と求職者のミスマッチが起こることが多々あります。せっかく採用に至ってもミスマッチが起こってしまうと離職リスクが非常に高くなるため、そのような状況は極力避けなければなりません。

そこで注目されているのがリファラル採用です。リファラル採用では、自社を良く理解している社員が紹介をするため、ミスマッチが起こる可能性が非常に低くなります。また、友人や知人と一緒に働くことで絆が生まれるため、離職防止としての効果もあると考えられています。

年々増える採用コストとそれに見合わない応募者数

人材不足による売り手市場によって、企業の求人数は年々増えています。その結果、求人広告サイトなどの広告掲載費用も年々増加しており、企業の採用活動にかかるコストが上がり続けています。しかし、求職者の求人広告サイト離れや求人広告の飽和状態が進むことで、求人広告サイトからの応募者は年々減少しており、費用対効果が非常に悪くなっています。そのため、企業はよりコストのかからない採用手法に目を向けるようになり、少ないコストで採用活動を行えるリファラル採用が注目されるようになりました。

リファラル採用とダイレクトリクルーティング

採用チャネルのひとつにダイレクトリクルーティングという採用チャネルが存在します。これは、企業が直接求職者へアプローチを行って人材獲得を行う採用手法です。リファラル採用も自社の社員が求職者へ直接アプローチをして人材獲得を行うことから、ダイレクトリクルーティングの一種とされています。

しかし、ダイレクトリクルーティングとリファラル採用には、ひとつ大きな違いが存在します。ダイレクトリクルーティングでは一般的に人事などの採用担当のみが求職者に対してアプローチをしますが、リファラル採用では、すべての社員が求職者へ声をかけるリクルーターとなれます。そのため、より積極的かつ広範囲な採用活動が可能です。

リファラル採用のメリットとデメリット

リファラル採用のメリット

自社とマッチした人材を集められる

リファラル採用の大きなメリットのひとつとして挙げられるものが、自社とマッチした人材を集められるという点です。リファラル採用では、自社の業務内容や社風、他社にはない強みや魅力といったものを熟知した社員が求職者へ声をかけます。そのため、求職者はその企業や業務をイメージしやすくなり、思っていた内容と実際の業務が異なるといったギャップが起きにくくなります。また、紹介する社員は自社がどのような人材を求めているのかといったことも理解しているため、自社にマッチした人材を獲得できる可能性が非常に高くなります。

潜在的な転職層への強力なアプローチ

もうひとつのリファラル採用のメリットが、潜在的な転職層へ強力にアプローチできるという点です。リファラル採用を含むダイレクトリクルーティングでは、求人広告サイトなどの転職市場には出てこない人材にアプローチできるというメリットがあります。そして、リファラル採用ではさらにその転職層へ強力なアプローチを行えます。リファラル採用では、社員が直接人材へアプローチするため、転職を漠然と考えていた層や機会があれば転職を考えたい層に対して、自社の魅力を直接伝えられます。

その結果、自社への応募を検討してもらえるなど、良質な母集団を形成できます。また、通常のダイレクトリクルーティングでは、競合他社もその人材に対してアプローチしている可能性が高いですが、リファラル採用の場合には、社員の知人や友人といった人材にアプローチするため競合が少ないというメリットもあります。

紹介者の社員の離職防止や帰属意識の向上につながる

そしてリファラル採用の3つ目のメリットが、紹介してくれた社員自身の離職防止や帰属意識の向上につながるという点です。リファラル採用では、紹介者である社員自身も自分の知り合いが入社することで、モチベーションがアップしやすくなります。また、知人を会社に紹介することで、いままでよりも責任感や会社への帰属意識が高まります。その結果、社員の離職防止や業務に対する意欲の向上につながります。

採用コストの削減

リファラル採用では、コストをおさえて採用活動を行えるという点も非常に大きなメリットです。求人広告サイトや人材紹介といったエージェントサービスの場合、広告掲載料金や人材紹介手数料といった多額のコストがかかります。しかりリファラル採用では、紹介者へのインセンティブなどのほかには、広告掲載料金などのコストが発生しないため、採用活動にかかるコストを大幅に削減できます。また、前述したように自社にマッチした人材を獲得できる可能性が高く、ミスマッチによる離職を防げるため、人材獲得や育成にかかる全体のコストをおさえられます。

リファラル採用のデメリット

紹介者と採用者との人間関係には細心の配慮が必要

リファラル採用では、紹介者と採用者との人間関係に細心の配慮をしなければならないというデメリットが存在します。せっかく紹介してもらった人材が面接の結果、不採用になってしまった場合には、お互いの人間関係がギクシャクしてしまう可能性があります。また、採用後も昇給や昇格といった待遇面で差をつけすぎてしまうと、人間関係の悪化につながってしまうこともあるため、バランスを考えた人事が必要です。

社員の理解が不足しているとミスマッチが起こる可能性がある

リファラル採用で自社にマッチした人材を獲得するには、自社の業務内容や経営方針、自社がどのような人材を求めているのかなどを紹介者となる社員がしっかりと理解していることが大前提です。そのため、そういったことを理解していない社員から紹介を受けた場合、ミスマッチが起きる可能性が非常に高くなってしまいます。そのようなことを避けるためにも、日ごろから自社に対する社員の理解を高める活動を行ったり、リファラル採用を導入する前に社員に対してしっかりと説明をしたりすることが不可欠です。

友連れで離職する可能性がある

リファラル採用では、紹介者の社員の知人や友人を採用するため、いっぽうが離職してしまうと、もういっぽうの人材も一緒に離職してしまう可能性があるというデメリットが存在します。せっかく入社した人材が離職してしまうことは企業にとって痛手ですが、紹介してくれた既存の社員も離職してしまうことは、企業にとってさらに大きな痛手です。このデメリットを避けるためには、日ごろからの社員に対するフォローなど適切な人材育成や人事戦略が非常に重要になってきます。

リファラル採用の報酬制度と注意点

適切なインセンティブを設定すること

リファラル採用では、人材を紹介してくれた社員に支給するインセンティブの額に注意する必要があります。インセンティブを高くしすぎてしまうと、社員はインセンティブ目当てになってしまい、結果として本業がおろそかになってしまう恐れがあります。また、インセンティブを低く設定しすぎた場合には、リファラル採用に関する社員の関心が薄れてしまい成果が出なくなってしまう恐れがあります。そのため、リファラル採用では適切なインセンティブの設定が非常に重要です。
リファラル採用の報酬額を決める視点としては採用単価・採用課題・雇用形態・勤務期間・採用者の経験やスキル・紹介人数などあります。

インセンティブを設定する際には就業規則に明記すること

リファラル採用でインセンティブを設定する際には、職業安定法などの法律に抵触しないように注意が必要です。職業安定法第四〇条には以下のような記述があります。

「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。」

しかし、リファラル採用で支給するインセンティブは適切に支給されていれば法律に触れることはありません。ただし、のちのちのトラブルを避けるためにも、インセンティブ支給の条件や金額などを就業規則の給与規定などに明記しておくことをおすすめします。

不採用時には伝え方に注意すること

もうひとつ、リファラル採用で注意しなければならないことが、不採用時の伝え方です。リファラル採用では、自社の業務内容などを熟知した社員から知人や友人を紹介してもらうため、ミスマッチが起こることは少ないです。しかし、紹介してもらったなかには面接の結果不採用となる人も存在します。その場合、紹介してくれた社員や紹介された人に、不採用になった理由などをストレートに伝えてしまうと、傷ついてしまったり、そのことが原因で人間関係が悪化してしまったりすることがあります。そのため、不採用時の伝え方には細心の注意を払う必要があります。

リファラル採用を成功させるための秘訣

紹介者自身が誇れる企業をつくる

リファラル採用を成功させるためにもっとも重要な点が、紹介する側である自社の社員自身が誇れる企業であるかどうかという点です。紹介者自身が魅力を感じていない企業の場合、その企業を自分の知人や友人にすすんで紹介しようとは思いません。そのため、紹介者自身がほかの人に誇れる企業風土や企業文化、組織づくりがリファラル採用の成功において不可欠です。

リファラル採用を定着させる組織風土

リファラル採用を成功させるためには、リファラル採用という仕組みを会社全体に認識させることが重要です。また、リファラル採用はコネ採用のような縁故採用と同じとみられ、ネガティブなイメージを持っている人も少なからず存在します。そのため、まずはリファラル採用が縁故採用と違うこと、なぜ自社にとってリファラル採用が必要なのかということをしっかりと説明する必要があります。また、リファラル採用に対するインセンティブ制度や採用活動費の支給など、紹介者に対するメリットを認識させることで、リファラル採用が活発になり社員がより参加しやすい雰囲気づくりも重要なポイントです。

帰属意識が高まれば社員は優秀なリクルーターになる

リファラル採用では、社員すべてがリクルーターになれるということは前述したとおりです。そして、社員の企業への帰属意識や愛社精神が高まれば、その社員はおのずと知人や友人に声をかけるようになり、一般的なリクルーターよりも情熱を持った、優秀なリクルーターになります。これが多くの社員に共有され採用活動から仲間集めに変わることで、その企業におけるリファラル採用が成功する確率は劇的に高まります。その結果、安定した人材確保が可能になることで、慢性的な人手不足からも開放されることでしょう。

リファラル採用ツールの導入

Refcome

Refcomeは、株式会社リフカムが運営しているリファラル採用支援サービスです。LINEやFacebookといったSNSを利用して簡単に紹介できることが特徴です。また、データの可視化による分析がしやすいため、リファラル採用における課題を容易に見つけられます。データ分析に関しては、さらにエンゲージメントの結果を部門ごとなどのグループ単位でも分析できるため、より綿密な採用戦略を立てることが可能です。そしてRefcomeでは、専任のコンサルタントがつくため、リファラル採用を初めて導入する企業でも導入しやすく、豊富な知識とノウハウによる手厚い支援を受けられます。

MyRefer

MyReferは株式会社MyReferが運営するリファラル採用支援サービスです。国内初のリファラル採用支援サービスということもあり、日産自動車や日立製作所など多くの大手企業も導入しています。こちらもRefcomeと同様に、SNSで簡単に紹介が行えることが特徴で、紹介する社員の負担を最小限にできます。また、データの可視化による詳細な分析や、リファラル採用に必要な情報を半自動で告知できる機能など豊富な機能があります。そのほか、アルムナイの機能も備えているため、より幅広い採用活動を可能にしています。

リファラル採用で成功した企業の事例

メルカリ

リファラル採用で成功している企業のひとつに、フリーマーケットアプリで有名なメルカリがあります。メルカリでは、採用者数の約6割がリファラル採用を通じて入社していると言われ、リファラル採用を活性化するためにさまざまな施策を行っています。例えば、社員が紹介する候補となる人材と会食をする際には、経費は全額負担で、会食に関する報告もメールで3行程度の簡潔なものになっています。その結果、ほかの社員の採用活動に対するハードルを下げることに成功しており、同社のリファラル採用での高い入社率に貢献しています。

freee

クラウド会計ソフトで高い知名度を誇るfreeeもリファラル採用を積極的に行い成功している企業です。同社もメルカリと同様にリファラル採用での入社が全体の採用者数の半数にのぼると言われています。社員がリファラル採用に参加するためのハードルを下げようと意識している点も、メルカリと同様です。また、知人に自分の会社を紹介したいと思われるような組織づくりを重視している点もメルカリと共通するところです。このように積極的にリファラル採用を活用することによって、採用コストの削減はもとより、同社の高い成長の実現に大きく貢献しています。

リファラル採用で社員とともに成長する企業をつくる

人手不足が深刻になり、採用チャネルも多様化するなかで、従来の採用手法のみでは十分な人材を確保できなくなっています。企業が成長するには安定的かつ優秀な人材の確保が欠かせません。また、既存社員の離職防止も企業にとっては大きな課題です。リファラル採用ではその大きな課題の2つに対応できます。リファラル採用をうまく活用することで人材獲得はもとより、社員の帰属意識やモチベーションの向上など組織が一体となって成長していくことが可能です。ぜひリファラル採用を活用して安定した成長を手に入れてください。

参考URL

https://www.hr-force.co.jp/saiyogo/201902211453

https://itjinzai-lab.jp/article/detail/1236

https://bizhint.jp/keyword/14112

https://jp.refcome.com/

https://i-myrefer.jp/

https://jp.refcome.com/insight/referral/1678"

https://www.wantedly.com/companies/mercariapp-com/post_articles/19032

https://hcm-jinjer.com/media/contents/b-contents-editorial-rihukamufreee-180920/

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