7億円の赤字から1年でV字回復。出口が見えないスタジオアルタを救ったプロシェアリングの裏側。
かつて「笑っていいとも!」という国民的人気を誇るコンテンツが収入源となり、メディア事業が業績を牽引していたスタジオアルタ社。2014年の放映終了後、4期連続の赤字を計上し、17年には赤字額が約7億2000万円にまで膨みました。清算も意識せざるを得ない状況から、翌年18年には7000万の黒字計上に至った背景には、「プロシェアリング=外部プロ人材活用サービス」の存在がありました。本記事では2019年9月に開催されたイベントにて語られたその裏側をご紹介いたします。
嶋田 正男氏
株式会社スタジオアルタ 代表取締役
伊勢丹(婦人MD部部長)→三越伊勢丹(地域店舗事業部 計画担当部長)ほか→スタジオアルタ(代表取締役社長)。婦人MD畑で経験を積んだのち、松山三越のターンアラウンド、浦和伊勢丹の店舗活性化、子会社でのアウトレット事業の立て直しなど不振事業のターンアラウンド実績を多数持つ。2017年、4期連続赤字のスタジオアルタ 代表取締役社長就任。一時は清算の危機にあった同社を1年で黒字化した、V字回復の立役者。
武下 真典氏
支援に入ったプロ人材
フューチャーアーキテクト→エスキュービズム・テクノロジー(代表取締役)→独立。小売/飲食業の知見を背景に、技術トレンドと世の中のニーズにマッチした事業戦略を描くことが得意。IoT・オムニチャネルのサービス/商品開発の企画/PM、WEBマーケティング/アライアンスによる営業強化、広報(新聞/テレビ/WEB)まで一気通貫で対応。9年間で売上1億→20億、社員7名→120名の成長を牽引。独立後スタートアップやEC/小売業の新規事業企画やマーケティング戦略立案など幅広く支援中。
石戸 美香
サーキュレーション担当コンサルタント
金融業界に3年間勤めた後、リクルートに入社。ハウスメーカーや工務店向けの集客コンサルティングに従事。その後、幅広い経営課題にに深く入り込みながら人と組織の活性化を行うためにサーキュレーションへ入社。サービス業界のコンサルタントとして、主に大手企業、店舗ビジネスの企業を中心に担当後、カスタマーサクセスチームの立ち上げ責任者として奔走中
井竹 萌
サーキュレーションのProSharing Community運営担当。本イベントのモデレーター。
Contents
優良企業から赤字企業への転落
「笑っていいとも!」終了と振るわぬ新規事業で7億円の赤字へ
嶋田:スタジオアルタはもともと、メディアと小売りを融合させようと立ち上げられたフジテレビと三越のジョイントベンチャーで、1980年に新宿の東口にオープンしました。その数年後、皆さんご存じの「笑っていいとも!」がスタートし、いいともでずっと稼いできました。フジテレビの資本が入っていたので、スタジオアルタは子会社の中でも優良企業だったんです。
しかし、2014年に突然、フジテレビから20年間続いた「笑っていいとも!」の終了を告げられました。それに伴ってスタジオアルタは利益の主軸を失い、フジテレビから資本を引かれたことで資本も減り、一転して大変な事態がやってきました。
それまでの経営陣も、まさか20年続くギネスに載るような番組が突然終わるなんて思わなかったでしょう。そこで、スタジオアルタが一発逆転劇を狙って10億を超える投資をした新規事業が、インバウンドをメインターゲットとした有楽町マリオン内の劇場「オルタナティブシアター」でした。日本には夜のエンタメがないと言われているので、インバウンド向けに演劇を自主制作しよう、このマーケットは宝の山じゃないかと。
ですが、結果はなんと、2017年7月のオープンから4ヶ月間のお客様は目標比3%。400名分の座席があり、大きなステージがあって20名くらいの若者が一生懸命劇をやっていたんですがお客様が入らず、同じグループの三越から私が社長に就任した2017年10月には、すでに7億の赤字が出ている危機的な状態となっていました。
自力で財務状況を見直しても足りない2億
嶋田:ふたを開けてみると、オルタナティブシアターは劇場化の投資の他に、実は毎月すごく高い家賃を払っていることもわかりました。利益の主軸を失った当社にはとても重くのしかかるものでした。
主力事業のアルタビジョンも非常に苦戦をしておりました。基本的に広告の流れはテレビやラジオなどの4マス、SNS広告や交通広告に予算を投下し、それでも余った予算が大型ビジョンに流れる。ただビジョンの中でも圧倒的に有名なのは渋谷なので、アルタビジョンはさらにその下。尚且つ、広告業界の商流としても、まず広告主がいて電通や博報堂などの総合代理店が話を受ける。その先にビジョン用の代理店がいて、当社は最下流に位置付けられている状態なので、何かが落ちてくるのを待つのが当たり前。危機感はありながらも、活路は見出せずにいました。
当時、将来を不安視して離職者も多く出ました。45人いた社員は25人にまで減り、オフィスは息も詰まるくらい暗い雰囲気でした。
そんな状況からどうしたかというと、まず赤字の垂れ流しをやめるため、制作費を何億もかけて苦戦していたオルタナティブシアターの自主公演を、勇気を出して損切りしました。社員も減って人件費も減少、事務所も小さくしました。さらに、スタジオアルタは三越伊勢丹の子会社なので、親会社に頼んで劇場建設費の償却、アルタビジョンの償却の減損処理をさせてもらいました。こうして財務状況を軽くして収益が上がる体質にし、半年で5億くらいは挽回できる目処が立つようになったんです。
でも、7億の赤字のうち、V字回復にはあと2億足りなかった。ただ、主力のアルタビジョン事業はこれ以上回復の見込みがなく、百貨店業界出身の僕にはメディアやエンタメ業界の人脈も知見もない。本当に断崖絶壁に立たされてる感じだったんです。そんな時に、サーキュレーションと出会いました。
アンチコンサルの風が吹く中、企画を通す
三越伊勢丹グループ企業理念の「他者が私を新しくする」を体現
井竹:プロジェクトに取り組むにあたって、コンサルティング会社ではなくサーキュレーションを選んだ理由はどこにあったのでしょうか。
嶋田:コンサルファームは三越伊勢丹ホールディングスの中の過去の取り組み実績の中でも成功事例ばかりではなく、プロジェクトが終わると元に戻ってしまう傾向があったので、逆風だったんですね。故にサーキュレーションの話を最初した時は、同一視され上層部からは、すぐに承諾をもらうことができませんでした。
ただ当時、三越伊勢丹グループの企業理念の「私たちの考え方」で『変化せよ!』『他者が私を新しくする』を定めたタイミングだったんです。「今こそ他者目線が重要だ」と掛け合い、プロジェクトの全体像がわかるような企画書も作成。プロシェアリングであれば自分たちが鍛えられ自力が付くと説得し、やっと上層部に受け入れてもらったんです。
鍛えてもらえそうなプロを選んだ
井竹:実際に石戸が提案したプロ人材の方がお2人いらっしゃって、1人がY氏、でもう1人が本日登壇の武下さんです。Y氏は大手グローバル広告代理店の日本法人およびグループに属する数社の経営幹部を兼任されていた方、武下さんは技術トレンドと世の中のニーズにマッチした事業戦略を描くことを得意とするIoT会社の社長。業界親和性が強いのはY氏にも見えますが、このお2人のうち、なぜ武下さんを選ばれたのでしょうか。
嶋田:とにかくここまできたら厳しい道を行こうと思ったんですよ。Yさんのほうは、60代で人の良さそうな優しく教えてくれそうな人。この方を選んだほうが楽だなと思ったんです。で、武下さんにも会ったらこの通り若いけどITだし、難しそうだし、怖そうだし(笑)。その時の僕は「厳しいほうを選ぼう」「とにかく自分たちを鍛えてもらおう」と思ったんです。
石戸:私が担当として最終的に武下さんをおすすめしたのは、一言で言うと「成果を絶対に残してくれるだろうと感じたから」です。黒字化が急務ということで最短で成果を上げなければいけない状況下で、武下さんの過去の実績やノウハウに再現性があることや、サービス提供者のことを理解した上でその業界の課題を的確に把握し、サービス設計、営業戦略に落とし込んでいく考え方がフィットすると考えました。
外部プロ人材とV字回復を達成するまでの軌跡
あえて素人目線でビジネスモデルを問い直す
井竹:ここからは武下さんが実際にどのように支援されたのか、という部分を深掘りしていきたいと思います。
武下:アルタさんの課題が何かというと、マーケティング戦略が不在だったんですよ。だから全部で8回のセッションのうち、戦略になるものを探し出すためのヒアリングを3回行いました。まずは120分間ずーっと私からの質問です。「御社のビジネスモデルは何ですか」という問いに答えてもらうために「顧客は誰か」というところからスタートして、過去の営業成績、業績を見せてくださいとか、根掘り葉掘り聞きました。
アルタビジョンについては、「渋谷と何が違うのか」「渋谷と比較して新宿のアルタビジョンのメリットは何か」をあえて素人目線で聞いていきました。すると、最初は出てこないんですけど、細かく質問していくにつれて「渋谷はこれできないけど、新宿のアルタビジョンはできるな」みたいな話が出てくるんです。
一番面白いなと思ったのが収容力の部分。渋谷のビジョンの前は事前に告知して人を集めてはいけないそうなんですが、アルタビジョンの場合は目の前の広場みたいなところに人を集められます。これはイベントをやりたいという広告主のニーズにはまりますよね、と。そうしたら、担当者さんから「『おそ松さん』というアニメの第1話をアルタビジョンで放送したら、ファンがめちゃめちゃ集まったんですよね」という話も出てきて。それで、この「広場に人を集められる」という点を強みにしてビジネスモデル構築できないのか、と考えだしました。
自社の強みに自ら気づき、担当者の顔つきが変わる
武下:質問を通じて僕が導き出したのは、今までやってきた広告だけでなく、販促のために広場に人を集めたり動画を見た人にSNSでシェアしてもらったりと、「広告」「販促」「PR」の3つを戦う領域にすると、ユニークな強みが出るんじゃないかということでした。
4回目のセッションで上記の図をホワイトボードに書き、「あなたがたのビジネスは広告モデルからコミュニケーションプランニングを実行できるモデルに変わるんです」っていう話をしたんです。これが結果的に戦略の卵になり、さらにスタジオアルタさんが自社で咀嚼してものにしたのが「集める」「広げる」という戦略です。
嶋田:たぶん武下さんが戦略を「こうやればいい」って渡したら、担当者は「冗談じゃない」って思ったと思うんですよ。そうじゃなく、質問に答えていく中で自分たちで強みに気づけるようになり、担当者の顔つきが変わってきた。ヒントをもらいながら、担当者自身が「集める」「広げる」までたどりついたから、動けたんですよね。
実際に、このマーケティング戦略をベースに大手代理店に「アルタビジョンはもう1回、こういうコンセプトでやり直そうと思ってるんですけど」と伝えると、「アルタビジョンって、そう言われればそうですね」という感じで、本当に面白いくらい回りだしました。
2018年12月には、アルタビジョンでとあるイベントを生中継したところ、アルタ前に20代から30代の女性を約5000人も集めることができ、SNSでもものすごく拡散されました。武下さんに言われた戦略の卵が、ここで非常にインパクトのある成果につながったのは大きかったです。
2018年度のアルタビジョンの売上グラフを見ても、武下さんと仕事を始めてからどんどん売上が上がってきてきれいな右肩上がりになっているのがわかります。
マーケティング戦略にひも付き定めた営業戦略の精度が上がって動きが良くなり、ピークの3月までにはアルタビジョンの営業で利益が前年の約3倍に達しました。この年は1億5千万円の利益を計上しています。
自社の強みに気づいてから地道にやっていけば、これだけ上がるという経験ができたのは非常に幸せだったなと思います。
プロ人材の残した種火を横展開し、さらに2億の利益を創出
井竹:武下さんとの取り組みを自社で他のプロジェクトにも転用し、さらに成果が出たと伺っています。
嶋田:武下さんは、やり方とか種火みたいな、お土産を残してくれたんですよね。大赤字だった劇場が2つあったので、武下さんとのプロジェクトだけじゃV字回復しなかったんですが、武下さんが残してくれた業務改革の仕方、気持ちみたいなものを横展開していったら、面白いように今度は大赤字だった劇場も黒字になり、収益性が低かった三越劇場も収益性が上がりました。僕がやったというよりは武下さんが残してくれた種火を使って火を上げていったという感じがありましたね。
それでトータル2億以上の利益が出ました。いきなり2億を目指して達成したわけじゃなくて、まずは武下さんとの出会いがあって、業績が上がっていき、それが会社の中で横展開されて大きな成果、ウェーブになったっていうのが実は今日皆さんにお話したかったV字回復の秘訣です。
プロ人材5名の壁打ちで、自ら描いた経営戦略を仮説検証
嶋田:おかげさまでV字回復が見えてきて僕のほうでもなんとなく経営戦略が描けるようになってきました。でも、その戦略が正しいかどうか自信がなく、グループ外の第三者に客観的な目で相談に乗ってもらいたかった。そんな中、石戸さんからスポットコンサルティングサービスのOpen Researchを紹介してもらいました。
ある程度、自分で仮説を立てていたので、その仮説を事前に5人に送って読んでもらった上で、合ってる合ってない、こうしたほうがいいっていうのを2時間のストロークの中で言ってもらうんです。それぞれ言うことは全部違いましたが、5人と合うとやっぱり真理が見えてくるんですよ。「ここは合ってる」「ここはやっぱりみんなだめって言うよね」とか。だから僕はすごく良いプログラムだと思いました。
「なんだかわからないですけど助けて」って言う段階ではなく、ある程度自分で描ける段階になってからOpen Researchにトライしたという順番も良かったんだと思います。
スポットコンサルティングサービスを活用した経営戦略立案について説明する嶋田氏
井竹:一般的にOpen Researchを使っていただく際、5人の方に同じ仮説に対してお話を聞くという使われ方が多いのですが、スタジオアルタさんの場合はちょっとずつ変えていったと伺ってます。
嶋田:最初は5人に共通の仮説を僕が伺う前提でしたが、1人目に聞いてだめだとわかったことについては、2人目以降、ご相談の仕方をちょっとずつ変えていったんですよ。
利用してみて、仮説が明確じゃないとはまらないと感じました。良いプロ人材をアサインをしてもらうためにも、良いミーティングをするためにも、僕らのミッションや考えが明確で具体的じゃないと話し合いにならないという気がしましたね。それもやりながら学びました。
井竹:結果どうなったのですか?
嶋田:結果、こういうポートフォリオをまとめられたというのは大きかったですね。
最初に武下さんに会った頃はメディア事業とシアター(劇場)事業しかなく、それを無理やり1個にしようと思ってたんですね。でも、話し合いの中でそれはやっぱり無理だと。ただ、お金がないので人は増やせませんし、今あるカードで勝負する必要があります。それなら、ゼロイチで新規事業を立ち上げるのではなく、連続性の中でシナジーが出るような事業構造を考えよう、という考えに至りました。
今はデジタルサイネージ事業やイベント事業を検討しており、まだまだ展開の余地が描けています。こうやって自分で経営戦略を描けるようになったのは、やっぱりOpen Researchのおかげだと思います。
失敗事例から学ぶ外部プロ人材活用の注意点
あくまで「主体は自社」という姿勢が成功につながる
井竹:スタジオアルタさんは、あくまでも「主体は自社」というスタンスが一貫されていると感じます。ここで石戸にも聞いてみたいのですが、サーキュレーションのコンサルタントとしてプロジェクトが成功する可能性が高いのはどういうスタンスのお客様なのでしょうか。
石戸:武下さんが取り組まれたように、企業とプロ人材が一緒になって取り組むということが外部人材活用するプロジェクトにおいては非常に重要かなと思っています。
弊社のサービスを外注と捉えられ丸投げしてしまうと、プロ人材が最高のパフォーマンスをあげる上での情報量が不足し望む成果がでなかったり、ノウハウが自社に溜まらずプロジェクト終了とともに効果もなくなりがち。スタジオアルタさんの事例ですと、嶋田社長と営業部責任者がものすごくお忙しい中でもリソースを投下してくださり、プロジェクトに参画いただきました。そういったアルタさん側の姿勢が、3ヶ月というスピード感をもったプロジェクトの中でも、V字回復のきっかけとすることができたのではないかと思います。
外部プロ人材とのプロジェクトを成功させる秘訣とは
井竹:最後に、外部のプロ人材と一緒に進めるプロジェクトを失敗させないためのコツを探っていければと思います。過去の失敗事例も踏まえ、嶋田さんいかがですか?
嶋田:1つは、もともとのミッションの設定が良くないと、いくら優秀な人をアサインいただいてもうまくいかないということですね。以前、デジタルマーケティングのプロ人材に「ネットを使って世界中からお客様を集めてほしい」というリクエストをしたことがあります。その方はすごくがんばってFacebookのフォロワーを5万人にまで増やしてくれましたが、劇場の集客にはつながりませんでした。課題の難易度が高すぎたんですね。
武下:もしかしたらKPIの置き方を変えたらよかったのかもしれないですね。KPIをフォロワー数ではなく売上の金額か個数か、みたいなところに置いていると策が違ったかなと思います。
嶋田:あとは、ディスカッションばかりして企画書に落とし込む人がおらず、実行まで至らなかったケースもありました。これは求める人物像がサーキュレーション側とすり合っていなかった事例ですね。プロ人材とのマッチングも100%成功するわけではないので、具現化が苦手だということがわかった時点で修正する勇気を持つことが必要だったと思います。
井竹:そうですね、マッチングしなかった時は、別の方をすぐにご提案すべきでした。ご指摘ありがとうございます。武下さん、他にもプロ人材としてプロジェクトを成功させるために意識していることはありますか?
武下:「現在地と目的地を明示的に示すこと」「答えを外部に求めないこと」じゃないかと思います。現在地と目的地がわからないとプロは動けないと思うんですね。逆にそれさえわかっていれば、何をどこから着手すればいいかの戦略はプロが描きます。
また「答えを外部に求めないこと」については、戦略構築フェーズで答えを外部の人が置いていくと、うまくいかなかったときにその人のせいにできてしまい、あまりよろしくありません。そのため、私は答えを言わずに答えの卵を置くようにしています。自社で咀嚼して、自分たちで戦略を構築し、腹落ちした状態でスタートしてもらい、自走できるようになることが大事です。
井竹:まとめると、外部プロ人材とのプロジェクトを成功させるには、「ミッションの切り出し方」「KPI設定の仕方」「マッチングしなかった時は適切なタイミングで修正する」「現在地と目的地を明示的に示す」「答えを外部に求めない」ことが大切ということですね。示唆の多いお話を本日はありがとうございました。
まとめ
今回のスタジオアルタさんのケースは、外部のプロ人材との対話を通じて自社の強みを見出し、マーケティング戦略・営業戦略を変更したことにより、短期間で成果を上げた好事例です。1つのプロジェクトの成功が社員のマインドをも変え、他のプロジェクトにも取り組みが横展開されることで、良い循環が生まれる結果となりました。
また、あくまで「実行主体は依頼企業側」というスタンスが成功要因であったこともディスカッションの中で明らかになっています。外部プロ人材を外注先とみなし丸投げするのではなく、戦略立案・実行のパートナーとして、適切な情報提供を行うことが、外部プロ人材とのプロジェクトを成功に導く秘訣のようです。