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【イベントレポート】新規営業の教科書―100社以上の営業を支援したセレブリックス今井氏が語る、されたい営業と実践方法の具体例とは?―

営業組織強化

23,000名(※2023年10月末時点)のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決するプロシェアリングサービスを運営する当社では、毎月10回程度のウェビナーを開催しております。

2022/12/15回では、新規顧客開拓を随時行なっているが、成果が得られず永年の課題になっているとお悩みの営業責任者・経営責任者の皆様に向けて、㈱セレブリックス セールスカンパニーのセールスエバンジェリストである今井氏に、されたい営業と実践方法をついてご紹介いただきました。
「オンライン商談が加わり、さらに顧客とのコミュニケーションが難しくなり、新規営業方法の最適解を出せない」
「受注数を高めるために提案量を増やしたいが、行動量で担保する以外の方法がわからない」
こうしたお悩みを持つご担当者様はぜひご覧ください。

当日参加できなかった方、もう一度内容を振り返りたい方のために内容をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

今井 晶也氏

今井 晶也氏

株式会社セレブリックス セールスカンパニー 執行役員 カンパニーCMO セールスエバンジェリスト
セールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOとして、セールスカンパニーのマーケティング、営業、新規事業、事業推進を管掌する。Everything DiSC(R)️の認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。

樋口 達也氏

樋口 達也

株式会社サーキュレーション プロシェアリング本部マネジャー
金融コンサルティング企業を経て、サーキュレーションへ入社。製造業界を担当するセクションの責任者を務め、自らもB2Cのコマース領域を中心にプロシェアリングコンサルタントとして、100件以上のプロジェクトを担当。特に、(株)ユーグレナグループのD2C企業への支援では、経営者の戦略パートナーとして、社員ゼロ30名全員が業務委託のプロ人材という革新的な経営スタイルの実現に貢献。

酒井 あすか

酒井 あすか

イベント企画・記事編集
新卒で大手人材紹介会社に入社し、中途採用における両面マッチング型の法人・個人営業、グループ会社・地銀とのアライアンス連携業務に従事。丸の内エリアに本社を構える企業への採用支援、100名単位のグループ会社社員に対して営業企画、地銀への人材紹介事業レクチャーに携わる。サーキュレーションではプロ人材の経験知見のアセスメント業務とオンラインイベントの企画〜運営を推進。

※プロフィール情報は2022/12/15時点のものになります。

コロナ以降の営業活動の実態

コロナ禍によって、多くの企業では営業スタイルが激変した。例えば商談スタイルの希望を採ったアンケートでは、半数が対面を望むものの、残りの半数はオンラインまたはどちらでも良いという回答だった。現在は対面での活動も再開されつつあるが、オンライン営業の商談攻略法は、多かれ少なかれ必須のものとなっている。
その中で、営業の現場が抱える課題は大きく以下の3つだ。

今井:アンケートにもあるように、現在はオンラインでの商談を希望する方が少なくないため、業種や業界、企業属性を絞り込むと高確率でオンラインを希望され、直接会えません。お客様の小さな反応が見られず、二次元的なコミュニケーションが必要になります。
また、電話をしても出勤形態が変わっていて責任者が出社していない、受付がアウトソーシングされているといった状況のため、「繋がらない」ロスが発生します。
さらに、コロナ直後は先行きが不透明で買ってもらいにくい環境がありました。今は多少解消されてきましたが、景気問題もあるため引き続き「買ってもらえない」状況は続くでしょう。

従来の営業戦略から進化する、「されたい」営業とは?

3つのロスを解消するための手法として今回ご紹介する「されたい」営業とは、顧客の購買タイミングや購買理由を把握した上で、必要とされる営業をすることを指す。
では、実際にされたい営業を実施するにはどうすればいいのだろうか。まずは3つのポイントをご説明いただいた。

1.営業戦略をリデザイン

最初に必要なのは、営業戦略のリデザインだ。以下は、実際に今井氏がセレブリックスで実践した成功事例のビフォー・アフターの内容となる。

今井:旧来の営業活動は、なるべく多くの方々と接点を持ち、確率論で勝負をするスタイルでした。いわゆるアウトコールやコールドコールです。しかし、先ほどご説明したように今はお客様との接点が取りにくくなっています。一度接点が持てたお客様にアポイントが取れなかったとしても、定期的に連絡を取れるようにしておかないと、リストが磨かれません。
新規営業で成果が出る大原則は、リストの精度と鮮度――正しいターゲットに対してちょうど良いタイミングで連絡ができる環境を、どれだけ作れるかにかかっています。コミュニケーションの記録をしっかり残した上で関係を構築していくような、中長期的な新規営業を考えていく必要があります。

樋口:「営業はとにかく電話をかけまくる」というイメージが大きく覆されそうですね。

今井:そうですね。ただ、量を無下にして良いわけではありません。テクノロジーを活用しながら、質も量も高めましょう。顧客にとっての「邪魔者営業」からどれだけ「ウェルカム営業」に変えられるかが重要なポイントです。

2.商談のブレンド化

次のポイントは商談のブレンド化だ。これは、顧客の環境に合わせてオンライン・オフラインをミックスした商談を行う考え方だという。

今井:例えば初回訪問はオンラインでなるべく多くのお客様に接触し、具体的な提案になったら本気度を伝えるために直接訪問するのがオーソドックスなパターンです。
手に取れるモノを販売していて、販売先の現場を見ることで得られる情報が多い場合は逆ですね。先にオフラインで商談をして商品を見ていただき、それ以降のプレゼンテーションはオンラインに切り替える方法があります。
あとは、初回・2回目の面談の間に15分ほどのオンライン面談を実施し、初回訪問で聞き忘れたことを聞いたり、次回提案の作戦会議をしたりするのも一つの手です。「今作っている資料はこれなんですけど、このまま持っていくと上司の方はどんな反応をすると思いますか?」と聞いてみるのもいいでしょう。

樋口:オンラインミーティングを挟むと、「一緒に上司を口説き落とす」空気になりそうですね。

3.優れたセールスコンテンツを作成

樋口:続いては、優れたセールスコンテンツを作成するということですが、スライドには「コンテンツが主役」「コンテンツを通じて対話」とあります。これはどういう意味でしょうか?

今井:データによると、オンライン商談中に別の仕事をしたことがある人の割合は7割にものぼります。大前提として、オンライン商談への認識はそんなものであり、たとえ本気度が高くても、チャットの通知で「緊急」と出たら、気になってしまうものなんです。
オンラインで話すだけでは内容が相手の頭に入っていない可能性がありますから、コンテンツを見ながら一緒に会話をしましょう。例えば「この資料を見てください」と言えば、誰でも見ますよね。コンテンツは注目してもらうスイッチになるんです。

具体例から学ぶ、オンライン商談でも実践できる「されたい」営業術

「されたい」営業に必要な要素がわかったところで、次に具体的なハウツーについて教えていただいた。
前提として、お客様の心離れを防ぐためには大きく「コンテンツ」「関係構築」「情熱強化」「プロジェクト化」の4つのキードライバーが存在する。これらは12のディテールを組み合わせることで効果を発揮するという。

今回は上記の中から、「コンテンツ」「関係構築」に関わる、「注目スイッチ」「事例活用」「事前準備」の3つのディテールにフォーカスした。

注目スイッチ

「注目スイッチ」とは、なかなかオンライン商談に集中してくれないお客様を商談に引き戻す、以下のような仕掛けのことだ。例えばコンテンツ映写時はレーザーポインターを活用する、事前に得た情報をスライドに組み込むなど、担当者の興味関心を引かせるような工夫が一例だ。

また、コンテンツは商談時以外でも、営業をスムーズに実施するためのツールとなり得る。今井氏にその事例についても解説いただいた。

今井:現在進行系で行っている営業支援では、さまざまなマーケティングオートメーションツールを活用しながらインサイドセールス部隊がコミュニケーションを取っています。
その中で例えば購入タイミングが今ではないお客様がいたら、「お役立ち資料の送付」という形で、内容が異なる資料を2~3個送付。それらのうちどれがクリックされたかによって顧客の関心度がわかるので、以降のフォロー内容を変えて対応します。営業部隊が商談をする際は、見てもらったコンテンツを基に掘り下げるべき内容を伝えるといった取り組みをしています。

事例活用

次の事例活用は営業活動に必須だ。今井氏は以下のように文脈や内容を切り分けて考えるという。

今井:例えば初回訪問や電話をした段階のお客様の場合、営業マンから自社とは関係のない事例について話されても苦痛です。でも、こう言ったらどうでしょう。「樋口さんの会社ではプロシェアリングという、プロ人材と企業をマッチングさせるサービスをされているかと思います。マッチングサービスの事例ですと、当社にはこのロゴが表示されている3社の事例がありますが、気になるものはありますか?」

樋口:そう言われると気になりますね。

今井:そうですよね。投げかけると会話が生まれますし、聞いたことを説明される時間は心地よいものになります。
とはいえ、契約直前に会社のロゴだけを見せても意味がありません。商談プロセスの後半になればなるほど、成功事例ではなく活用事例――何名がどういう体制で運用したのかといった、具体的内容が必要になります。事例はどんな場面で使うかによって、刺さる内容が変わるということです。

事前準備

最後の事前準備において重要なのは、お客様にとって「旬な情報」を集めることだという。

例えば自社が過去に同一業界とどんな商談をしたのか、どんな導入事例があるのかといった前述の「事例活用」で紹介したような内容も、旬な情報の一つに含まれる。アポイント獲得時に、何が顧客にとっての旬な情報なのかをヒアリングしておけば、商談の目的やゴールが設定しやすくなるメリットも得られるだろう。

新規営業の教科書まとめ

今回のウェビナーのポイントをまとめると、以下のようになる。

今回ご紹介したウェビナーで使用した資料は、未公開部分も含め以下のリンクからDLできます。新規営業の教科書にご興味を持たれた方は、ぜひご活用ください。

【無料ホワイトペーパー】
新規営業の教科書―100社以上の営業を支援したセレブリックス今井氏が語る、されたい営業と実践方法の具体例とは?―
本ホワイトペーパーは、2022年12月15日に開催したウェビナー資料のダイジェスト版となります。新規顧客開拓を随時行なっているものの、大きな成果が得られないとお悩みの営業責任者の皆様に向けて、㈱セレブリックス セールスカンパニーのセールスエバンジェリストである今井氏に、されたい営業と実践方法をついてご紹介いただきました。