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【イベントレポート】Z世代へリーチできる新・マーケティング―VTuberを活用した企業のマーケティング方法とは?―

マーケティング戦略

23,000名(※2023年10月末時点)のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決するプロシェアリングサービスを運営する当社では、毎月10回程度のウェビナーを開催しております。

2022/11/24回では、Z世代などの若者へリーチできるマーケティング戦略をご検討中の経営者、新規事業責任者、マーケティング関連部署の皆様に向けて、VTuberを活用した新しいマーケティング領域を展開できるプロ 金井氏に、Z世代にリーチできるVTuberを活用したマーケティング方法についてご紹介いただきました。
「トレンドにのるデジタルマーケティング技法を知りたい」
「Z世代などの若者へリーチできるマーケティングが必要だが有効的な手段がわからない」
こうしたお悩みを持つご担当者様はぜひご覧ください。

当日参加できなかった方、もう一度内容を振り返りたい方のために内容をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

金井 洸樹氏

金井 洸樹氏

株式会社uyet 代表取締役プロデューサー
2018年よりバーチャルユーチューバー(VTuber)事業の立ち上げに従事し、キャラクターを用いたコンテンツの企画/運用、企業案件配信の企画など担当。現在は株式会社uyetにてVTuberを用いたプロモーション事業、マーケティング事業を展開中。キャラクターを用いたマーケティングで楽天ランキング1位を獲得し、1日で200件ほどジェラートを販促させるなど、キャラクターを用いた新しいマーケティング領域を展開。

田中 将太

田中 将太

株式会社サーキュレーション プロシェアリング本部 マネジャー
大手人材系企業を経て、サーキュレーションへ入社。首都圏のサービス業界を担当するセクションの責任者を務め、自らもプロシェアリングコンサルタントとして、100件以上のプロジェクトを担当。大手金融機関での複数の新規事業開発や、大手不動産企業での全社DXのグランドデザイン設計支援から、設立間もないHR系スタートアップの垂直立ち上げ時の経営支援まで、幅広い業界・規模の企業の事業成長に貢献。

山中 かれん

山中 かれん

イベント企画・記事編集
新卒で大手人材紹介会社に入社し、IT・コンサル業界の中途採用における課題解決に従事。ベンチャー中小企業から大手外資系企業まで幅広い採用支援を経験後、社内組織営業力向上に向けた研修立案、商品企画に携わる。サーキュレーションではプロ人材の経験知見のアセスメント業務とオンラインイベントの企画〜運営を推進。

※プロフィール情報は2022/11/24時点のものになります。

Z世代を起点に考える、10年先のデジタルマーケティングの変化

現在、Z世代と呼ばれる15~24歳までの人口は全世界の3分の1を占める。2031年までにはZ世代の収入が世界の4分1以上になると言われており、次世代市場のコア人材としてZ世代は無視できない存在だ。
彼らの情報収集や行動の中心は主にインターネットやSNSで、Z世代に対するマーケティングでYouTubeやTikTok、Instagramの活用は必須だ。特に、スマートフォンを基軸にしたデジタルマーケティングが重要視される。

Z世代にリーチできるVTuberとは?

Z世代の消費行動には、「安価であれば個人からも抵抗なく購入する」、あるいは「『推し活』に投資をいとわない」といった特長もある。この点も踏まえ今回ご紹介するのが、VTuberの有用性についてだ。

ファンとの相互コミュニケーションを強みに持つVTuber

VTuberは「バーチャルYouTuber」の略称で、2D・3Dで作成されたキャラクターを用いて動画の投稿・配信を行うYouTuberを指す。現在はVTuberの所属事務所も増加しており、「にじさんじ」「ホロライブ」などが著名なグループだ。
配信者自身がキャラクターとしての人格を持ち、ファンやそのほかのVTuber同士で相互にコミュニケーションを取れるのが強みであり、2018年初頭から現在までの約5年間で、ポジションは確立されたと見てよい。2028年に、市場は174米ドル規模にまで到達すると予想されている。

VTuberがビジネスで注目される理由

VTuberの視聴者層の多くは10代後半から30代前半までで、まさしくZ世代と合致する。VTuberがデジタルマーケティングの視点でビジネス的にも注目度が高いのは、このように若手ファンを獲得できることのほか、収益配分を広告に依存せず、IP運用やデジタルコンテンツ展開ができる要素も大きい。
他の広告媒体と比較すると、VTuberの優位性は以下の通りだ。

VTuberは話題性が高いのも特徴だ。金井氏曰く、「視聴者も含めた発信活動を行ってくれる」という。UGC――ユーザー生成コンテンツを見込めることも、強みの一つなのだ。

事例から学ぶ、VTuberを活用したマーケティング方法

実際にVTuberを活用したマーケティングにはどのような可能性があるのか、以下では金井氏が手掛けた3つの事例について教えていただいた。

[事例.1]JAタウン&朝日新聞

最初にご紹介するのは、JAタウンと朝日新聞が合同開催したバーチャル物産展の事例だ。ECサイトのメイン利用層が30代後半~50代で、購入者数が伸び悩んでいたのが課題だったという。そこでVTuberを起用し、若手層の認知拡大を図った。

金井:弊社が行っている、バーチャル物産展のパッケージを活用させていただきました。オフラインの物産展をそのままオンライン空間に移動したものですね。オンライン特設会場を作り、さまざまな企業が自社の商品を展示します。VTuberには、売り子として商品の魅力をユーザー目線でトークしてもらいました。

VTuberを推進するステップは具体的に以下のようになるが、この中で特に注力したのが2~4にかけてのステップだと金井氏。

金井:若い層向けに、調理の手間が少ない商材の選定からご協力させていただきました。
ただ、実際にVTuberを活用する際は、特に大企業であるほど「よくわからない人には依頼しづらい」という懸念を抱きがちです。そこで当社が過去に仕事をしたことがあるVTuberさんを選定し、商品の説明の仕方で良かったポイントを音声・画像付きで報告した上で、アサインしています。

取り組みの結果、1200名ほどが来場。平均視聴時間は1ユーザーあたり1時間という長さをマークした。イベント実施後1ヶ月経過した時点でも、商品購入者の写真付き投稿がSNS上に毎日20~30件アップされるような状況だという。

[事例.2]OKASHI GAKU ショートケーキ缶・ふわ缶

田中:次の事例は商材がショートケーキ缶です。これは商品が面白いですね。事前の課題としては、認知拡大のための有効な施策が思いつかなかったという状況があったとお伺いしています。そこで、VTuber専門のライブコマースで生配信を行ったそうですね。

金井:VTuberが直接商品の試食と紹介を実施し、ユーザーがライブコマース上から直接商品購入できるような取り組みを行いました。コンテンツは1~2日ほどかけて生配信し、あとはアーカイブからの視聴を含めて1週間ほど実施しました。

この事例で注力したのは、ステップ3の部分だったという。

金井:商品自体が魅力的で企業側も自信をお持ちだったので、「買ってもらう理由」を増やすためにコラボグッズを作成しました。あとは、商品のこだわりポイントを当社が事細かく確認し、その上でVTuberのオンボードを行いましたね。

本事例の場合は、1週間の販促で約300個を販売。ECサイトの通常時の売上と比較して、3~4倍もの効果が出た。

[事例.3]産直市場ヤマサン 静岡県産三ヶ日みかん

最後の事例は、見切り品のみかんの販売だ。表面に傷がついている、大きさが規定外であるなどの理由で本来売り物にならないはずだったみかんをコラボ商品化し、オリジナルのみかん箱を作って販売したという。

田中:1日で10名のVTuberが宣伝をしたそうですが、本当に1日のみだったんですか?

金井:はい。大体昼~夜にかけて配信をしてもらい、ひたすらにみかんの味をアピールしてもらいました。1日で販売数がかなり伸び、楽天市場のランキングにも割り込んでいます。

ここでもポイントになったのは、やはりステップ3の商品選定だった。これまでは価格を下げざるを得なかった商品を「商品として売る」着想のもとで生まれたのが、コラボ商品という展開だったのだ。

成果としては楽天市場のリアルタイムランキング1位、デイリーランキング2位を獲得したほか、商品のレビューも投稿されている。

VTuberを活用してマーケティング効果を最大化するポイントとステップ

以上の事例を踏まえて見えてくるのは、VTuberはただ起用すれば効果が出るものではない、という点だ。企業とVTuberのコラボレーションで成果を上げるには、何よりコンテンツの企画力・ストーリー性が必要となる。

コンテンツが作り込めていないと、消費者もVTuber自身も「楽しさ」が感じられず、視聴時間の低下やUGCの失敗などにつながりかねない。そこで必要なのが、番組コンテンツの強化、VTuberとの共創、UGC発生促進の3ステップだ。以下ではそれらの内容を解説していただいた。

[Step.1]番組コンテンツ強化

ステップ1について踏まえておかなければならないのが、現在インターネット上にはコンテンツ量が溢れかえっているという事実だ。

金井:ユーザーはスマホを使って生配信も動画も見られるし、音楽も聴けます。やれることが多いため、「面白そう」「興味がある」という引きの部分から、厳しいコンテンツ選定が始まっている状態です。コンテンツを作って出すだけではなく、コンテンツの質や楽しさがかなり重要になります。

[Step.2]VTuberとの共創

田中:コンテンツの作り込みがあった上で、次にそれをどうVTuberと一緒に作って内容を伝えていくのかというステップになりますね。ここにはどういうポイントがあるのでしょうか?

金井:商材を作っている事業者が自社のサービスにこだわっているのと同じように、VTuberたちも自分の活動として動画や生配信のコンテンツを作っています。彼らの中にもこだわりがあるからこそ、企業側からあれこれ押し付けすぎると、本人の創作意欲が落ちてしまうでしょう。
特に生配信というリアルなコミュニケーションの中で、モチベーションが低下しているとユーザーにすぐにバレます。ですからVTuber自身やユーザーにどうコンテンツを楽しんでもらえるか、どう面白がってもらえるかを起点に材料を提供しながら、共創させていただいています。
VTuberに対して何の商材を届ければいいのかという観点もありますが、一番は企業側が自信を持って商品自体を提供できていることが大切です。こだわり部分は、配信上でも話題にしやすいですしね。

[Step.3]UGC発生促進

田中:3つ目のポイントが、UGCが発生しやすいUIにするという点ですね。これはどういった意味合いですか?

金井:VTuberたちはSNSや配信プラットフォーム上で常にユーザーとコミュニケーションを取っているので、「コミュニケーションをしたい」「報告をしたい」という承認欲求を満たせるコンテンツが望ましいです。VTuber側から見た場合も、写真を追加でアップする、オリジナル企画を作るといったことがしやすい内容を仕込むのが大事です。
例えばSNSにアップする写真など、アウトプットがなるべくきれいなものになるようにできることがないかどうかは、私も非常に考えていますね。

Z世代へリーチできる新・マーケティングまとめ

今回のウェビナーのポイントをまとめると、以下のようになる。

今回ご紹介したウェビナーで使用した資料は、未公開部分も含め以下のリンクからDLできます。Z世代へリーチできる新・マーケティングにご興味を持たれた方は、ぜひご活用ください。

【無料ホワイトペーパー】
Z世代へリーチできる新・マーケティング―VTuberを活用した企業のマーケティング方法とは?―
本ホワイトペーパーは、2022年11月24日に開催したウェビナー資料のダイジェスト版となります。Z世代などの若者へリーチできるマーケティング戦略をご検討中の経営者、新規事業責任者、マーケティング関連部署の皆様に向けて、VTuberを活用したマーケティング方法についてご紹介しています。