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プロシェアリング事例 CASE STUDY

プロシェアリング > 導入企業事例 > 東芝出身の南波正司氏が現場目線と工場経営経験を活かして中小紙器工場の在庫金額30%削減を達成。工場改革の道のりとは?
製造業×工場経営
東芝出身の南波正司氏が現場目線と工場経営経験を活かして中小紙器工場の在庫金額30%削減を達成。工場改革の道のりとは?
生産計画、現品管理の徹底でキャッシュフロー改善
ジャパン・プラス株式会社 様
COMPANY DATA
企業名 ジャパン・プラス株式会社
設 立 1974年
事業内容 緩衝材や各種パッケージの製造

長年、プラスチック真空成型品をメイン事業としてきたジャパン・プラス株式会社。同社の紙器工場は20年前にスタートして以来旧態依然の生産体制のままで、在庫過多という課題を抱えていました。工場経営をアップデートするため、同社は東芝の子会社で工場長も務めたことのある南波正司さん(以下:南波)に支援を依頼。成果が出るまでの3ヶ月間にフォーカスして、支援内容を専務取締役笠倉大二郎さん(以下:笠倉専務)との対談形式でご紹介します。

当初の課題
・紙器工場は大量生産から小ロットの受注生産に時代とともに変わっているのに、生産体制を変えられずにいた
・旧態依然の体制により在庫過多となり、工場には材料などのものが溢れていた
導入後の成果
・月末の在庫が3割削減され、年間600万円近くのキャッシュフロー改善に貢献
・それまでは製造だけに没頭していた現場だったが、生産の「見える化」によって工程のルールが浸透。現品管理を徹底できるようになった
・会社に工場経営のノウハウが蓄積し、現場で施策を考え専務がその監督を行う役割分担が可能になった
当初の課題
旧態依然の工場の問題点を洗い出し、適切な生産計画を立てたかった

笠倉専務:ジャパン・プラスは私の父が創業した会社で、最初はポリ袋の製造からスタートし、事業を拡大していき20年ほど前から紙器(商品の収納や包装に用いられる紙製容器)・梱包資材の加工も始めました。
課題を抱えていたのも、その紙製品を扱う紙器・梱包資材工場です。20年の間に大量生産から小ロットの受注生産に徐々にシフトしていたのですが、製品の作り方も現場の作業工程も、ほとんど変えていませんでした。適切な生産計画が無く、とにかく注文があればすぐに材料を発注して工場で作るという体制だったため、工場には材料や製品が溢れかえっていたんです。

また、社員が退職する際はいつも会社の至らなかった点をヒアリングしているのですが、そこで「工場の旧態依然」という指摘がありました。私自身も感じていた課題ではあったのでショッキングでしたし、やはり工場の問題点を明確にして現場の改善を図っていくべきなのだと痛感しました。
しかし、私には工場運営の経験もノウハウもありません。調べようとしても体系化された書籍は無く、講習会やセミナーが開催されているわけでもありませんでした。困り果てていたところ、最近では外部人材を招いてスピーディに経営改善するという方法があると埼玉県プロフェッショナル人材戦略拠点に教えてもらいました。

もちろん採用も考えたのですが専門知識のある方と知り合う機会もないですし、その他の知識を得る方法も散々検討した後だったので、いただいたアドバイスをもとにプロ人材の起用を決断しました。

導入の決め手
面談と工場見学を行なった際、「宝の山」と言って一番前向きに改善案を提案してくれたのが南波さんだった

笠倉専務:複数のプロシェアリング会社の中から3社ほどに絞った段階で実際にプロ人材の方々と面談をして、工場見学もしてもらいました。旧態依然の工場ですから、現状に対して呆れたような態度を見せる方もいました。その中で、こちらの課題に対して一番前向きな提案をしてくれたのがサーキュレーションさん経由でご紹介いただいた南波さんだったんです。南波さんは現場で長く働いていた方ですから経験者としての安心感もありましたし、この人なら適切にコミュニケーションを取ってくれそうだと感じてご依頼を決めました。

また、担当の土井さんは常にフランクな雰囲気を作ってくれていたので、こちらの要望は全てお伝えできたと思っています。案件が始まって以降も週に1回の支援日には南波さんにせっかく来ていただくので、ディスカッションの場もセッティングしてもらいました。

支援したプロ人材
日本と中国を行き来しながら、中堅メーカーの現場に入り込み本質的な課題の解決に取り組む

南波:ジャパン・プラスさんの支援を決めたのは、たまたまスケジュールが空いていたこともありますが、『宝の山ともいえる解決すべき課題が沢山あるな』と思ったからです。
支援は週に1回ペースでスタートしました。といっても現場で行きあたりばったりのご支援をするわけにはいきませんから、稼働していないときも基本的に次の訪問に向けた戦略を練っていましたね。トータルで10ヶ月にわたる支援になりました。
支援はまず、工場の課題をチェックすることからスタートしました。現場にモノが溢れている原因は何なのか、私や専務、そして現場のメンバーもしっかり認識しなければいけません。工場にある現物が誰がいつどんな指示で作り、なぜ工場に保管しているのか、どういう過程で作られたのかをしっかりヒアリングしました。
結果として、原因は生産管理情報が一元化されていない点にあることがわかりました。

笠倉専務:現場は注文が入るとすぐに製造し、材料が無くなれば従来の調達ルーティンワークとして、新たに材料をまた仕入れます。この結果、発注と製造と出荷のつじつまが全く合わず、会社としては毎月の支払いだけが増えてしまっていたんです。

南波:そうなると会社の財務管理に問題が発生します。今はキャッシュフロー経営の時代ですから、余計な在庫があって資金回収ができないと、運転資金が減るばかりです。最悪、会社が倒産します。さらに詳しく言うなら原価の問題ですね。材料の原価は10円でも、加工すると付加価値が生まれるので50円になります。これを会社で数ヶ月も保存すると、それだけで損害になります。製造業で作りすぎは禁物なんです。

南波 正司氏
東芝にて20年間生産設備設計、生産技術を経て東芝ライテックにて自社工場・調達先メーカーの生産改善に注力後に独立。中堅メーカーへの製造管理・品質・生産性向上コンサルタントとして活躍中。

東芝の照明事業会社の本社経営変革推進室で全工場・支店の社員教育とシックスシグマ改善活動などを主導。
その後、同社の製造関係会社の沼津工場で工場長として工場運営、次に海外(中国/韓国/タイ)の品質・生産性改善、中国現法製造会社の立上支援などを経験し4年前に独立。
現在は中堅メーカーに対して製造管理や品質、生産性向上を中心としたコンサルテング業務を行なう。
支援で強みとしているのは、実際に現場に入り込んで問題点を抽出し、「情報とモノの流れ」「同期化・整流化」を実践的に指導すること。

支援内容・成果
3ヶ月かけて20年間続いてきた考え方と作業工程を変更。仕込生産品の在庫金額は30%削減に成功。現場の生産性に対する意識も大きく変化

南波:状況を打破するためには、教育するしかありません。笠倉さんにプロジェクトリーダーを数名選出してもらい、プロジェクトの施策を検討しながらまずはリーダーたちに考えを切り替えてもらうことにしました。
その上で、個人の勝手な判断でモノを作らないように、営業は材料の発注を行わず、工場に対して受注情報だけを渡してもらうような工場の仕組みに変更しました。
ここで重要なのが、なぜその仕組みで動かなければならないのかを現場のメンバー全員にわかってもらうことです。そこは指揮系統をはっきりさせるためにも、プロジェクトリーダーから伝えてもらうようにしました。

笠倉専務:リーダーたちもこういう変革は初めてで、頭で理屈はわかっていても、上手に伝える技術までは身についていませんから説明できるようになるには3ヶ月ほどかかりました。一歩一歩階段を上がるような感覚でしたよ。
作り上げた仕組みをどうデジタルに落とし込むのかという部分も、やはり3ヶ月ほどかかりました。
仕組みが浸透しはじめた4ヶ月目以降は、在庫をどれくらい減らしていけるかを調整していきました。また、現品票(製造現場などにおいて生産管理のために使われる伝票の一つ)による現場の材料や製品の管理もスタートしました。

南波:現品票をつけると現場にあるモノが「見える化」されて、要不要を判断できるようになります。きちんと定義をしておけば、個人の感覚的な判断は不要になります。
定義の仕方は簡単で、工場が1日に生産できる量をもとに1週間で何をどれだけ作るのか決めてしまえばいいんです。1日あたりの材料を1時間ごとに仕分ければ、何がどれくらい遅れているのか、その日の進捗状況もわかります。これが製造工場の本来あるべき姿です。

笠倉専務:支援いただいてから3ヶ月で数値的な成果も出はじめて、仕込生産品の在庫が30%も減りました。金額に換算すると年間600万円相当です。実際には受注生産品の在庫も減っているので、さらに大きな数値になるはずです。
仕込生産品の数字を出してみると、実は受注生産品の在庫が足を引っ張っていることも新たにわかってきました。これも「見える化」の成果ですね。
現在は受注生産品の在庫を減らすことに注力しています。さらにKPIやKGIを設定して、工場が改善すべき数値も明確に定めています。今までは何をどう測れば良いのかもわかっていませんでしたから、南波さんに教えていただいて非常に助かりました。
紙器工場全体の損益や在庫の金額、保有日数、納期遵守率、着工遵守率は毎月報告しているので、メンバー全員が工場の状況を理解し、コスト意識も感じているようです。

今後について
苦労を乗り越えた先に生まれた新たな工場文化を育てていきたい
左:プロ人材 南波正司氏
中央:ジャパン・プラス株式会社 笠倉大二郎専務取締役
右:サーキュレーション コンサルタント 土井啓義

笠倉専務:なかなか現場に理解してもらえないことも多々あり、スタートしてからの3ヶ月は大変でした。最初は数値的な成果も見えませんでしたから、正直を言えば苦しかったです。
それでも、数値に変化が見えると現場の雰囲気はガラッと変わりました。現品票をつけるかどうかも議論があったのに、今は『現品票が無いのは工場としてありえないだろう』という話にまでなっています。支援は約10ヶ月でしたが、この間で新たな企業文化、工場文化が生まれたことには非常に感謝しています。

南波:現場は多かれ少なかれ宝の山ですが、今回は大きな宝の山がありましたね。
私個人として勉強になったのは、取り組み内容の伝え方です。支援の要となるのは現場の人達ですから、どう組織に合った伝え方をすればいいのか、非常に考えさせられました。
ジャパン・プラスさんには今後も工場のグランドデザインを描いて、どう進むべきかを考えて更に変革していってほしいですね。

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