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プロシェアリング事例 CASE STUDY

プロシェアリング > 導入企業事例 > 創業200年の老舗菓子屋「榮太樓總本鋪」のリブランディング。元プラップジャパンの知財にも精通した広報プロ瀧本裕子氏による、伝統・ストーリーを次の世代に引き継ぐブランディング手法とは?
製造業×ブランディング
創業200年の老舗菓子屋「榮太樓總本鋪」のリブランディング。元プラップジャパンの知財にも精通した広報プロ瀧本裕子氏による、伝統・ストーリーを次の世代に引き継ぐブランディング手法とは?
老舗メーカーの次の200年に向けたブランディング戦略で背中を押した広報プロの存在
株式会社榮太樓總本鋪 様
COMPANY DATA
企業名 株式会社榮太樓總本鋪
設 立 1818年
事業内容 和菓子製造販売

創業200年の歴史を持つ榮太樓總本鋪。日本橋の屋台からスタートし、現在に至るまでに時代背景に合わせて全国の百貨店や駅ビルなどに販路を広げた老舗和菓子企業です。幅広いラインナップの商品はどれもこだわりの製法・原材料で作られ、味にも自信があったものの、自社の強みを上手くPRできずにいました。200周年を機にコーポレートブランディングを決意し、アサインされたのが瀧本裕子さん(以下:瀧本)です。老舗企業とプロ人材がどう併走したのか、細田将己副社長(以下:細田副社長)との対談形式でご紹介します。

当初の課題
・和菓子づくりへのこだわりの強さは自負しているが、それをうまく発信できない悩みを抱えていた
・老舗企業なら尚更伝えたいメッセージや商品も多くなりどこからどう手をつけるべきか見えづらくなっていた
導入後の成果
・若い世代にも榮太樓のことを知ってもらえるようになり、榮太樓飴は百貨店で1日1500缶の販売も記録
・1年半の支援を通して、自分たちだけでは実現できなかった様々なアイディアの実行方法を教えてもらえた
・現在はインナーブランディング含め自分たちで運用できている
当初の課題
江戸時代から続く伝統を守り、和菓子づくりに情熱を注ぐ老舗企業。商品に自信はあるものの、強みをどう発信すべきか迷っていた

榮太樓總本鋪は江戸時代に日本橋で創業して以来、200年続く生粋の江戸菓子屋です。昭和30年代頃に榮太樓飴という缶入りの飴が大ヒットし全国的な知名度を得て今に至ります。

商品に関して一番大事にしているのは、江戸時代の味を今につなぐことです。
例えば当社の金鍔はあんこを非常に薄い皮で包むという高度な技術が必要で、他のお店ではなかなか実現できませんでした。榮太樓總本鋪は、そんな江戸時代からのあるべき金鍔の姿と味を伝えたいのです。

もう一つの代表商品である榮太樓飴は、日本で唯一贈答品に使われるレベルの飴で、職人が直火の銅釜で炊いています。最新鋭の工場で機械化されている部分はありますが、レシピも製法も江戸時代からほとんど変わっていません。ここまで伝統的な飴作りをしているお菓子屋は会社規模ではほかに無いのではないでしょうか。 ただ、製品作りのポリシーはあっても、提供方法は現代に合わせていかなければなりません。今はネット通販が主流ですから、Webへの対応も積極的に進めています。 200年企業が続く秘訣について度々質問されますが、「伝統は革新のある持続です」とお答えしています。会社の歴史や昔からあるレシピを見つめ続けながら、新しいことにもチャレンジを続けるということです。温故知新ですね。

当社は昨年で200周年を迎え、私としては全従業員に浸透している「自分たちの作っているお菓子はすごいのだ」という自負と情熱を、もっと攻めの姿勢で世の中に伝えていきたいと思いました。そこで、改めて榮太樓總本鋪のことを知ってもらうためのブランディングや広報をしていこうと考えていましたが、どう伝えていくのかという部分が非常に弱く、SNSのアカウントも持っていませんでしたし、Webサイトなども古臭いデザインでした。ですから広報施策についての支援が必要だと考えました。

導入の決め手
榮太樓のことを愛してくれたサーキュレーションのコンサルを信頼して依頼

サーキュレーションさんを選んだのは上記のニーズもありながらですが、何より担当コンサルタントの方が我々のことをすごく愛してくれていたからです。いろいろと勉強もしてくれて、ただ人を紹介するのではなく、本当に榮太樓のために何ができるのかを考えてくれるスタンスを強く感じていました。そんな中で出会ったのが瀧本さんです。

当社のような中小企業では、プロ人材をフルタイムで雇うのは、経営的にも他の社員とのバランスを考えると難しい部分があります。突然給料の高い社員が入社してきたらハレーションが起きてしまいますから。そういう意味でも外部のプロ人材にコンサルティングをお願いしたかったんです。ただ、表面的に言葉だけで何か言われてもなかなか受け入れられません。ただのコンサルではなく、実務も含めて一歩踏み込み、なおかつ私たちの背中を押してくれるような方に来てほしいと思いました。

支援したプロ人材
「何があっても諦めない、逃げない、やり抜く」を信念とする広報・ブランディングのプロ

瀧本:私は知財まで含めたブランディングを一気通貫で現在提供させていただいております。大切にしているのは何が起こっても諦めず、お客さまのゴールに向けて逃げずに最後までやり抜くということです。
企業を支援させていただく上で大切にしているのは、まず企業の良さや強みを最大限引き出すこと。なおかつ、社員の方々自身にも自分たちの魅力について腹落ちしてもらえるようにすることです。強みを打ち出すことで社外からの注目を集められることはもちろん、社内に自社の良さ・強みが浸透し社員が一番の会社のファンになっている会社は本当に強いと実感しています。そのためにまずは信頼関係をつくり、ヒアリングや調査などを行いながら、全体の課題を整理するようにしています。

瀧本 裕子氏
プラップジャパン(PR支援)、世界大手のブランディング会社、通信キャリアを経て独立。日本やシリコンバレーのスタートアップ企業、大企業の新規事業を中心に「ブランド・知的財産戦略サービス」を提供する弁理士の資格を持つマーケティング・ブランディングのプロ。
世界2位のヘルケアカンパニーや金融機関、M&Aで発足した大手製薬メーカー、米国アパレル等を顧客に18年間広報、ブランドマーケティングを実施。ソフトバンクグループでは知的財産のライセンスや権利活用、ノウハウ保護、模倣品対策を担当後、グループ会社全体での社内ビジネスコンテスト経由で新規事業開発を経験。
支援内容・成果
次の200年に向けたブランド戦略を構築。新社是の策定や記念商品の開発、ブランドの見える化を図るための特設サイトを開設し、中長期的な施策で新たなコーポレートブランドの社内外への浸透を狙った

瀧本:榮太樓總本鋪さんの場合も全体を整理する現状分析からはじめました。全部署に満遍なく、「今の会社をどう思っているか?」「どんなところが好きか?」「今後どんな会社でありたいか?」等、30項目ほどヒアリングしながら、次の200年に向けたブランドの方向性などをまとめていきました。
ヒアリングの結果、次の200年に向けた一つのメッセージを打ち出し、共通の価値観を会社の中に創造するということを今回のプロジェクトの一つの大きな目的にしました。

細田副社長:共通価値を創るための一つとして、社是の変更を決断をしました。社長と相談して決めた新しい社是が、「心の豊かさに挑戦する榮太樓」です。瀧本さんからの提案で、社是を変更してからは毎月社員に心の豊かさエピソードを発表してもらうなど、浸透のための取り組みもしています。
今では、「それは社是にある心が豊かな行動なのか?」という言葉も聞こえるようになってきているので、よかったと思います。

瀧本:続けてくださっていて嬉しいです。それから、社員のみなさんを集めたブランド浸透イベントも行いました。

細田副社長:みんなで創った共通の価値観を外部に発信する方法としては、瀧本さんのディレクションのもとで200周年記念サイトを制作することになりました。ネット上にきちんと足跡を残す形で特設サイトを作る方が、中長期にわたり効果があるだろうという判断です。

瀧本:これまでの200年の歴史と、これから200年に向けたメッセージを特設サイトに入れ込み、分かりやすく伝えるために動画コンテンツも制作し、若い顧客層に向けてのアプローチも図りました。

細田副社長:榮太樓總本鋪の飴の良さをもっと若い人にも知ってもらいたいということでポップな感じにして、自社の強みとして打ち出すために「榮太樓飴の製造方法」「金鍔の製造方法」等の工場内部の映像をインタビュー仕立てで作成しました。 自分たちでもこの2つの商品の製法が優れていることを頭ではわかっていたのですが、瀧本さんのように外部の方に言われなければ、それを改めて外に向けて打ち出そうとは思いませんでしたね。
作成したコンテンツを二次利用するにあたり、著作権が弊社に帰属するようにしたかったので、瀧本さんには弁理士としての知見を活かして契約周りでもアドバイスをいただきました。

榮太樓の梅ぼ志飴ができるまで

榮太樓の金鍔ができるまで

200周年特設動画

細田副社長:今回のブランディングプロジェクトの定量的な成果をあげるとすれば、榮太樓飴が非常に売れていることです。思い切って全種類の榮太樓飴をミニ缶に仕立て直したところ、レトロ可愛いと特に若い層から評価を受けて、おかげ様で缶入りの飴が復活しつつあります。多いときは百貨店で1日50万円の売上がありました。1缶330円ですから、1500缶ですね。
パッケージを変えただけなのですが、それによって20~30代の方にリーチできたんです。200周年の限定商品として、歌川広重の東海道五拾三次「日本橋朝之景」と浮世絵画家NAGAさんによる「近未来の日本橋」のイラストを使用したパッケージを出したところ、企業からの引き合いも一層増え、現在はコラボデザインの缶を数多く展開しています。

今後について
自社にない知見を埋めてくれるプロ人材と共に、全社一丸となり次の200年を創っていく
左:プロ人材 瀧本 裕子氏
右:株式会社榮太樓總本鋪 細田将己副社長

細田副社長:最近、「榮太樓さん攻めてますね」とか「色々なところで見かけるようになりましたね」という言葉は多くいただくようになりました。 ブランディングというのは何かすぐに目に見えて数字で成果が出るものではないですが、少しずつ効果を感じ始めています。

瀧本:200年続く企業、製法、商品はどれも並大抵のものではありません。今回のプロジェクトで良かったのは、榮太樓總本鋪さんがなぜ現代まで続いてきたのか、これまで何となく思っていたことを明確に言語化できたことだと思います。もともと伝統と革新という理念はあったのですが、それが少し見えなくなっていたところを再発見できるようお手伝いさせていただきました。

細田副社長:瀧本さんには感謝しかありません。自分たちだけで何となくやりたいと思っていても、人に背中を押してもらわないとできないことはあるんですよね。特にインナーブランディングは社内からの評価がダイレクトに返ってくるので、実施を躊躇してしまいがちです。それも実際やってみたら案外好評だったりしました。
当社はさまざまな年代、考えの人が働いているので、一つの価値観にまとめるのはかなり難しいですし、自然発生的にはできません。そこを後押ししてもらえたのも有り難かったですね。支援いただいた1年半の間、発信の仕方を勉強させてもらいましたし、非常に良い経験ができました。
サーキュレーションさんからはこれまで3名の方を紹介してもらっていて、現在も別の方に支援いただいています。支援を通して感じるのは、プロ人材はどなたも私たちだけでは到底探せなかった深い知識をお持ちの方たちばかりだということです。まだまだ当社の知らない知見を埋めてくれる方はいるのかなと感じますし、今後もご協力お願いしたいです。

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