2022.08.04
お知らせ
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「令和4年度富山県伝統工芸ミライ創造事業」の参加事業者・グループ決定のお知らせ
株式会社サーキュレーションが事務局を務める、令和4年度富山県伝統工芸ミライ創造事業について、2022年6月6日から2022年7月8日までの期間において公募したところ、10事業者・グループから応募いただき、参加が決定しました。
本事業は、伝統工芸事業者を中心に伝統的工芸品の産地や異分野・業種の企業が連携し、富山県の伝統工芸を引っ張る新たなブランド創出を目指すものです。
1年目となる2022年度は、プロ人材による研修と実働支援を行う2名体制で、マーケットインの商品企画に取り組みます。
■特設ページ:https://www.toyama-dentokogei-mirai.circu.co.jp/
■参加事業者・グループ
・井波彫刻協同組合/井波彫刻
・伝統工芸高岡漆器協同組合/高岡漆器
・高岡銅器グループ
代表:大越工芸品製造(株)
構成員:(株)宮津商店、高岡銅器(有)
・高岡銅器グループ
代表:(株)秀正堂
構成員: (株)大谷喜作商店、(株)宮津商店、(株)古城製作所、(株)関菊、(株)竹中銅器、(株)四津井、(有)四津川製作所
・高岡銅器グループ
代表:(株)竹中銅器
構成員:大越工芸品製造(株)、高岡銅器(有)、(株)砺波商店、(株)宮津商店、(株)大谷喜作商店
・高岡伝統産業青年会/高岡銅器・高岡漆器
構成員:(株)ROLE、(有)色政、漆芸 吉川
・(有)中村製作所/高岡銅器
・(株)平和合金/高岡銅器
・和田彫金工房/高岡銅器
・高岡民芸(株)/越中福岡の菅笠
■各産地の取り組み
富山県内には長い歴史と伝統、高度な技術・技法を有する、魅力ある様々な伝統工芸品があり、各産地では、時代の流れに合わせ、新しい分野への技術の活用や新商品開発に取り組んでいます。
今回参加が決定した10事業者・グループの属する4つの伝統工芸品について、ご紹介します。
【高岡銅器/高岡鉄器】
高岡銅器は、銅器づくりで国内シェアの90%以上を占める、鋳造の町高岡で受け継がれてきた技術です。また、原型、鋳造、仕上げ、着色、彫金と金属加工のあらゆる技術が集まっており、複数の製作所や職人が工程を分担してつくるのが基本ですが、ひとつの町だけで分業制が成り立つのは珍しいことで、高岡の強みとなっています。
現在では、各事業者によるBtoCの商品開発も精力的にされており、アクセサリーやインテリア、日用品雑貨など様々な商品展開がされています。
また、高岡鉄器は今から400年以上前の江戸時代に銅が主流となる前、農具や鍋など日用品の製作に鉄が使用されていたのを起源とした技術です。
【井波彫刻】
井波彫刻は、主に神社仏閣彫刻や寺院欄間が活発で、全国各地の寺社・仏閣の彫刻を数多く手がけ、それと並行して一般住宅欄間・獅子頭など・置物にも力が注がれてきました。
現在、受け継がれてきた伝統ある「井波彫刻」は時代の流れとともに民家の室内彫刻へと多くは移り変わっており、なかでも住宅欄間や表札はその主力となっています。
直近では、寺院内の案内板や看板の製作等も手がけています。
【高岡漆器】
高岡漆器は、貝がらの光沢がある部分を薄く削った材料を使う「青貝塗」、唐風の意匠に錆漆(さびうるし)で描き、青貝・箔絵・玉石などを施す「勇助塗」、木彫に朱・黒などの漆を塗り重ね、模様の立体感を出す「彫刻塗」等、多彩な技術が生み出されてきました。
高岡の祭礼で使われる絢爛豪華な御車山(みくるまやま)にもこれらの技法が使われています。
現在では、樹脂やガラスなどさまざまな素材を使った変り塗も登場しており、香港、上海とアジア圏を中心した海外展開にも力が注がれています。
【越中福岡の菅笠】
越中福岡の菅笠は、日本で唯一、原料栽培から問屋まで、一貫して生産する体制を維持しており、全国の菅笠生産地が衰退していく中で、全国の約9割を出荷しているといわれています。
菅笠は、「スゲ」という植物を使って縫った笠で、農作業用の日よけや雨具として全国で古くから使われ、日本人の日常に溶け込んできました。
現在では、色付けしたカラーバリエーション豊富な「スゲ」で作られる帽子やイヤリング、本事業に参加する高岡民芸株式会社が製作する「ランプ」や「スピーカー」といった技術を活用した新商品開発も進んでいます。